W杯のメンバー入りへ。E-1選手権で「第2の井手口」は誕生するか
「W杯行きの切符はまだ誰一人掴んでいない」。オーストラリアとの決戦を制し、ロシアW杯を決めた直後に長谷部誠はこう語った。日本代表の主将は勝利の余韻に浸ることなく、ロシア行きを懸けた23人のメンバー選考が激しいものになることを予感していた。
実際、10月の連戦では多くのフレッシュなメンバーが呼ばれた。ここで結果を残していれば一気にメンバー入りへ近づくチャンスではあった。だが、ニュージーランドには2-1と辛勝、ハイチには3-3の引き分け。ハリルホジッチ監督は「ロシアでは違う23人かもしれない」と怒りを露わにした。現状では一部の海外組を除いて当確と言える選手はいない。
ロシアW杯は来年の6月。まだ時間はあるとはいえ、メンバー選考のチャンスは非常に少ない。11月の欧州遠征を2連敗で終えた日本代表は今後、12月に国内でE-1選手権、来年3月に国内で親善試合を行い、メンバー23人を決定する。来年3月は実戦に近いメンバーで最終確認を行うと見られている。
そうなると、国内組やこれまで代表に縁がなかった選手たちがアピールできる場は12月のE-1選手権に限られていると言っていい。ここで結果を残して3月にも引き続き招集されることが絶対条件だ。特に国内組は1・2月とJリーグがなく、アピールしようにもできない。E-1選手権は事実上最後のチャンスとなる。
かつて東アジアカップと呼ばれていたE-1サッカー選手権は、今年12月9日開幕。韓国、北朝鮮、中国を招いて男子は味の素スタジアムで行われる。海外リーグがまだ行われている時期のため、11月29日に発表された代表メンバーに海外組は含まれず、国内組のみの編成となった。
ハリルホジッチ監督は現状のメンバー構成に満足していない。日本代表の新しい武器となる選手、弱点を補う選手を常に探している。「若い選手を起用することに躊躇しない」と繰り返し語るように、指揮官が評価した新戦力は年齢に関係なく抜擢する。
例えば井手口陽介。昨年11月に初招集されたガンバ大阪の若きMFは、6月の連戦から代表に復帰。アジア最終予選となった重要なイラク戦ではいきなりスタメンに抜擢された。負傷により途中交代となってしまったが、それが指揮官のプランを狂わせた。1-1と痛恨のドローに終わったが、それだけ井手口が重要な選手だったということだ。欧州遠征では2試合連続で先発出場するなど、今ではチームにとって欠かせない選手となっている。
12月のE-1選手権でも「第2の井手口」が誕生する可能性はある。東アジアのライバルたちとの決戦で良いパフォーマンスを発揮すれば、ハリルホジッチ監督からの評価はぐっと上がる。3試合と選手を見る時間も十分にある。一発逆転の大きなチャンスと言える。
今年最後の日本代表戦となるE-1選手権。選手たちのサバイバルにも注目が集まる大会のチケットは、以下のサイトから購入することができる。
EAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会
▼チケットの一般販売はこちらから
・チケットJFA
・チケットぴあ
・ローソンチケット
・e+ イープラス
▼試合日程
【12月8日(金)】
[女子]16:10 中国 vs 北朝鮮(フクアリ)
[女子]18:55 日本 vs 韓国(フクアリ)
【12月9日(土)】
[男子]16:30 韓国 vs 中国(味スタ)
[男子]19:15 日本 vs 北朝鮮(味スタ)
【12月11日(月)】
[女子]16:10 北朝鮮 vs 韓国(フクアリ)
[女子]18:55 日本 vs 中国(フクアリ)
【12月12日(火)】
[男子]16:30 北朝鮮 vs 韓国(味スタ)
[男子]19:15 日本 vs 中国(味スタ)
【12月15日(金)】
[女子]16:10 韓国 vs 中国(フクアリ)
[女子]18:55 日本 vs 北朝鮮(フクアリ)
【12月16日(土)】
[男子]16:30 中国 vs 北朝鮮(味スタ)
[男子]19:15 日本 vs 韓国(味スタ)
【了】