昨季はレアルにも通用したナポリのハイプレスがことごとく空転
「試合(ローマ戦)を見てましたけど、相当調子いいんで。本当に世界でも1、2を争うくらいのいいサッカーをしているんじゃないかなと思いますけど」
15日のミラノダービーの後、インテルの長友佑都はナポリについて、上記のようなコメントを残していた。確かに、彼らのサッカーは完成度をさらに高めている。
相手の守備組織を細かいパスで振り回すパスワーク、成熟した連携のもとで発揮されるタレントたちの個人技、そして守備に転じた際の執拗なプレスに、各自の戻りが早く精密なゾーンディフェンス。今季はそのような要素に加え、劣勢に回ってもそれを覆す勝負強さすら身につけた。
しかしマンチェスター・Cは、そんなナポリを圧倒した。瞬く間に2点を奪い、ポストに弾かれ、ゴールラインギリギリでクリアされたシュートもそれぞれ1本あったことから、大量点を奪ってもおかしくなかった。試合開始から30分までの間で浴びせたシュートは10本にのぼり、一方でナポリは相手ゴール前にすら侵攻できなかった。
後半は盛り返すことができたとはいえ、前半30分までの間に何もさせてもらえなかった事実が衝撃的に映った。「彼らはCLで優勝を狙える」とマウリツィオ・サッリ監督は試合後に語る。完成度を高めたはずのナポリがどうすることもできなかったのは、ひたすらマンチェスター・Cの力量が圧倒的だったからだ。
まずは正確かつ素早い最終ラインからの組み立てが、試合の主導権を握る主因となった。個々の技術もさることながら、周囲の選手が適切な距離を保って動くので、詰められてもパスの選択肢が常に複数ある。
そんな受け手の動きをベースに、パス自体もかなり早く回る。昨季のCLではレアル・マドリーのDFラインにも不正確なフィードを出させ続けていたナポリのハイプレスが、ことごとく空転させられた。