ミスから許したまさかの先制点
“失望”のドローだった。10月18日、チャンピオンズリーグのグループステージ第3戦。ボルシア・ドルトムントはアウェイでAPOELニコシアと戦った。トッテナム・ホットスパーとの第1戦とレアル・マドリーとの第2戦を立て続けに落とし、グループHの最下位に位置するBVB。決勝トーナメント進出を見据えるならば、後のない状態でAPOEL戦を迎えていた。
香川真司は先発出場。ポジションは左インサイドハーフだ。開始早々の4分にアンドリー・ヤルモレンコへスルーパスを通すなど、背番号23は序盤から積極的に攻撃に絡んでいった。
11分には右インサイドハーフのマリオ・ゲッツェにボールを預けて、自らはゴール前へ入っていく。そしてクリスティアン・プリシッチの左からのクロスに、ヘディングで合わせる。
さらに13分にはペナルティエリアの手前でヤルモレンコからパスを受け、振り向きざまにシュートを打つ。いずれもゴールには至らなかったが、勝ち点3を目指すチームの小気味良いリズムの中で、香川もテンポに乗って攻撃を仕掛けて行った。出だしは悪くなかったのだ。
しかしピーター・ボス監督が「試合の入り方は良かったが、ゴールを奪うことはできなかった」と振り返るように、BVBは前半、[4-4-2]で引いてカウンターを狙うAPOELを崩し切ることはできなかった。
オランダ人指揮官は「このような試合では先制することが重要だ」と言う。
「前半、我々にはそうするチャンスが何度かあったが、シュートは枠の外だった」
「先制」に成功したのは、ドイツの強豪ではなく、地中海に浮かぶ小さな島国のチームだった。62分、CBソクラティスからのバックパスを、GKロマン・ビュルキがロレンツオ・エベシリオへパスミス。エベシリオのシュートをビュルキはキャッチできず、弾いたボールをミカエル・ポテに拾われ、かわされ、ゴールを決められてしまう。