イングランド戦は集大成。後悔しない戦いを
チャレンジャーとしてイングランドに挑む。緊張感を漂わせながら久保は言った。
「自分たちはこういう相手とやるために今までやってきたつもりなので、自分たちの集大成ではないですけど、今までやってきたものを出せるようにしたい。自分の自己評価は正直、理想としていたほどは高くないですけど、そこもある意味想定内ではあるので、別に大会が終わったわけではないですし、明日それを変えられればいいことなので、それはあまり気にしていないです」
この言葉を聞いて、グループステージ初戦の前に久保が話していたことを思い出した。
「人それぞれあると思うんですけど、自分の『戦う』は、1つは『後悔しない』というのは大きいですね。『あの時やっておけばよかった…』みたいなのは絶対にあっちゃいけないと思います。でもやっぱり戦うと言っても、球際だったりというのはありますけど、自分はしっかり逃げずに、自分と向き合って、『相手に負けていないな』というのを自分の中で試合が終わった後に感じたいので、仕掛けるところは仕掛けて、自分の方が相手より優っているというのを見せることが、『戦う』ということ。代表に選ばれているということは、やっぱり誰でもできるようなプレーではなくて、1人ひとり特徴を持っていると思うので、その特徴を存分に出すことが自分にとっての『戦い』です」
ここまで3試合、うまくいったことも、いかなかったこともあった。そこで簡単な方へと逃げず、徹底的に自分たちと向き合い、やるべきことを突き詰めてこれたのか。イングランド戦は日本の選手たちの覚悟が問われる。
終わった後に「あの時こうしていれば…」と後悔しないように。できることを全てやって、1人ひとりの特徴を存分に発揮し、終わった時に「イングランドよりも強いのは俺たちだ」と言える戦いを見せて欲しい。心の底から日本の勝利を信じている。
(取材・文:舩木渉【コルカタ】)
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