インド人もびっくりの大活躍。注目度は久保に匹敵
インドで取材をしていると、地元の記者に囲まれて質問攻めに遭うことがある。「アジアで最も強い国だから」という理由で、インドメディアがU-17日本代表の練習に数十人規模で押し寄せるのには驚いた。
しかし、彼らからの質問はピッチ内での事象からかけ離れたものが多く、「Jリーグはいつ開幕したんだ?」「中田英寿は今何をしているんだ?」といった内容。選手には「キャプテン翼を読んだことはあるか?」「インドでの生活はどうだ?」といった質問が飛ぶ。
そして、中でも最も多かったのが「久保建英は『ジャパニーズ・メッシ』と呼ばれているようだが、彼の評価は?」という問いである。グループステージを終えても同様の質問は絶えないが、その流れが変わったのが8日のU-17W杯グループステージ初戦・ホンジュラス戦後のことである。
日本が6-1で大勝した試合で、もちろん久保も活躍したが、それ以上のインパクトを残したのが中村敬斗だった。ハットトリックを達成したアタッカーについて、ホンジュラスの監督も「久保以外にあれほどのFWがいたとは…」と驚きを隠せない様子だった。
インド人記者たちも、しきりに「中村とは何者だ?」「中村はどこでプレーしている?」「中村は日本で有名なのか?」と、日本人記者たちに迫るようにして情報を求めてきた。
それらの問いに答えるとすれば、中村は現在のU-17代表のエース格であり、ずっとそのチームとともに歩んできた選手である。そして21人の日本代表の中で唯一Jリーグクラブの下部組織以外から選ばれた選手でもある。
ハットトリックを成し遂げて「正直驚いていますし、やっぱりチームでずっと頑張ってきて、ずっと長い代表活動をやってきて、この大舞台でハットトリックできたのは最高です」と喜びを語っていた中村は、開幕戦の前にこんなことを話していた。
「個人としては世界に打って出るというか、いい意味でアピールできる場なので、いいプレーをして、ちょっと目をつけてもらえたらいいかなと思います」