だからこそ生まれる穴を見つける香川
もっとも香川によれば、完全無欠のような敵の[4-4-2]にも、わずかに穴があったそうだ。
「4-4-2で2トップ、両サイドハーフ、2ボランチが結構前に来てたので、でも2ボランチは決して守備的な選手じゃないから、やっぱりどこかでギャップが生まれている、ちょっとしたスペースがあったのでね。そこを上手く突ければ良かったし、そこに上手く呼び込めれば、かわせた部分は多々あったと思うので。実際、そこで受けれたら攻撃に進めるところがあったので。特に左からだとね、右はやっぱりポジションだったり、距離感詰まっていましたけど、左からに関してはすごく見出せるなと前半から見ていた」
ライプツィヒの2ボランチは、ケヴィン・カンプルとナビ・ケイタ。両選手とも、どちらかと言えば8番タイプで、6番タイプではない。ディフェンスラインの前に陣取るフィルター役ではなく、ボールを奪った後に攻撃を組み立てる繋ぎ役だった。8番が2人並ぶことによる中盤のアンバランス。よって背番号23によれば、「ちょっとしたスペースがあった」のだという。
実際、25分にはマリオ・ゲッツェが、左サイドからオーバメヤンにスルーパスを通している。40分には、右に寄ったケイタとカンプルの左のスペースを利用して、ヤルモレンコがゲッツェとのコンビネーションからシュートを打っている。いずれもゴールには結び付かなかったが、香川の指摘するとおり、ライプツィヒの[4-4-2]にもちょっとした隙はあったのだ。
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