強みになりつつある香川とヤルモレンコのホットライン
守備の2枚看板とは違って、日本代表の2試合に参加した香川真司は、怪我などアクシデントに見舞われずドルトムントに帰ってきた。またボス監督によれば、代表戦に参加したことで戻ってきたばかりの選手たちをスタメンで起用するかどうかは、どちらかと言えば即興で決めるそうだ。指揮官としての直感で決断する、といったところだろうか。
9月13日のトッテナム戦では、アンドリー・ヤルモレンコのゴールをアシストした香川。お返しとばかりに9月30日のアウクスブルク戦では、ヤルモレンコが香川の鮮やかなループ弾をアシスト。日本代表とウクライナ代表のコンビネーションは、今季のドルトムントの“強み”となりつつある。香川は、今季ディナモ・キエフから新加入の長身FWを「今までになかったウイングタイプというか、人も使えるけど自分でも行ける凄い選手」と評する。
「彼とやることでさらに自分の良さが生きてくるんじゃないかなっていうのは今日(アウクスブルク戦)改めて分かったので、練習の中でもそれを実感していた分、そうやって結果としてね、出たことは、今後にとって良かったと思います」
アウクスブルク戦の後で、背番号23は「上手くアンドレ(ヤルモレンコ)と、ピシュチェク、コンビで崩せたと思う」と手応えを得た。残念ながらピシュチェクは欠くことになったが、香川=ヤルモレンコのホットラインは、ライプツィヒの守備陣にとっても脅威となるはずだ。
ボス監督によれば、ドイツ代表に招集されなかったマリオ・ゲッツェの状態はとても良いそうだ。同じくゴンサロ・カストロも、代表ウィーク中にコンディションを整えているだろう。香川がライプツィヒ戦に出場するかどうかは、ライバルたちの状態も踏まえたボス監督の見極め次第となりそうだ。起用されれば、再び“ホットライン”で、野心あふれる新興クラブに一撃を食らわせたい。
(取材・文:本田千尋)
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