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バルサはリーガを離れるのか? カタルーニャ自治州前首相が語る、独立問題とサッカー界【インタビュー】

text by アイトール・ラグーナス photo by Getty Images

スペイン国歌とアイデンティティーを一致させることができない人々

──そのような話で言えば、独立主義はその範疇を超えて、スペイン国歌に指笛を吹くといった反スペイン主義的なことをすべきではないと考えられますが?

M 異なることを結び付ける必要はない。私は独立の声が高まる前にもコパ・デル・レイ決勝に立ち会ったが、耳をつんざくようなブーイングはその頃から存在していた。

 この一件が独立云々に関係なく生じていることは、すでに理解されているはずだ。スペイン国歌とアイデンティティーを一致させることができない、多くの人々が存在している。これは感情の問題であって、それに対しては何かを命じることなどできないんだよ。

 レアル・マドリーの試合ではマドリー州ではなく、スペインの国旗がなびいているだろう。カタルーニャにいる我々が、スペインとアイデンティティーをともにする彼らに憤りを感じると思うかい?

 その答えは、感情に対して敬意を持つ限りノーだ。ある表現がスペインの象徴と矛盾するとしたら、それは独立のプロセスによって生じたのではなく、歴史に由来するものだ
よ。

──感情への敬意について口にしましたが……。あなたがコパ決勝でスペイン国歌にブーイングが浴びせられているときに見せた仕種は、人の感情を逆撫でし得るという理解もありますか?

M 私の仕種については、過剰な形で解釈されてしまった。自分は笑ってなどおらず、せいぜい微笑を浮かべただけだよ。スペイン国歌を馬鹿になどしていないし、これまで何度も敬意を持ちながらそれを耳にしてきた。

 単純に、滑稽な状況を愉快に感じてしまっただけだ。国歌へのブーイングがあれば試合を延期にするとわめき、脅していたにもかかわらず、それが結果として指笛の強さを倍にしてしまったことにね。この一件で生じたことは、あのような事態を回避できなかった一国家の滑稽さにほかならない。

 けれども、私に笑う考えがあったわけではないんだ。指笛は吹かれない方がずっと良い。侮辱などない方がずっと良い。9N(2014年11月9日にカタルーニャで行われた独立を問う住民投票)も、私を刑事告訴することなく投票箱を置かせてくれたら、ずっと良かった。

 しかし、この一件については、スポーツにおいて起こったことと受け止めなければならないし、もしベルナベウでカタルーニャ自治州歌が流れたら、それはもう凄まじいブーイングがあることも、我々は完璧に理解している。

 カタルーニャ自治州歌に喝采を浴びせられる可能性が、どんなにわずかでも存在すると言うのかい? いや、我々が滑稽になることなどないよ。私はマドリーで、フランス国歌に対してブーイングがあったことも記憶している……。

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