カンプノウで独立を象徴する旗群が掲げられるのは…
──カンプノウでエステラデス(カタルーニャ独立派のイデオロギーを象徴する旗群)が掲げられるのは、政治的なことではないのでしょうか?
M ある人々にとっては心を痛め、苛立ちを感じ、罰する方法を模索するものであっても、エステラデスはその長い歴史において紆余曲折があった、カタルーニャらしさというものの表現の一つだ。現在のように温度が上がっている状況では、より情熱的かつ直接的な表明がなされている。
──ではバルサに対する処分について話しましょう。昨季(14/15シーズン)のチャンピオンズリーグ決勝で掲げられたエステラデスに関するUEFAの処分に、バルサが異議を唱えることはありませんでした。
M 異議を唱えた、またはそうしなかったという彼らの決断について、意見を言うことを望みはしない。その決断によって、UEFAと良好な関係でいられることを願うだけだよ。私の勘違いかもしれないが、スペイン政府や公的な機関から、強力な圧力がかかったことは予想できるね。
──つまり、裏工作があることには同意すると?
M ああ、同意するよ。
──バルサ前会長サンドロ・ロセイ、現会長ジョゼップ・マリア・バルトメウに対して懲役が求刑された、ネイマールの移籍オペレーションについても同様でしょうか?
M “ネイマール事件”については、司法的な動きという点から見れば、このような性質の事件とはあまりにも不均衡なレベルまで達している。懲役という重大な刑罰を含めた嫌疑がかけられるなど、まったく釣り合いが取れていない。バルサはこのような件で、実際に何らかのミスを犯していた場合には、それを修正することを常としてきたはずだ。
──カタルーニャ民主集中(独立派の地域政党)創設者の息子だったサンドロ・ロセイが、バルサ会長職を辞したことには失望しましたか?
M 失望はしていない。サンドロの受けた重圧は、耐えられるものではなかった。彼が苛まれたような状況において、重圧に耐え切れず身を引くことは誠実そのものだ。残れば、悪いようにしかならなかった。
──グローバリゼーションが進む中で、各国にとって重要なショーケースの一つと言えるのが、スポーツの代表チームです。カタルーニャがスコットランドやウェールズのように代表チームを有していれば、独立運動がここまで本格化することはなかったのでしょうか?
M スペインが1978年の憲法制定の際に、多民族、多文化、多言語の国家と認めていたら、我々が現在のような場所に立っていることもなかったはずだ。どういうことかと言えば、鏡の前に立つスペインは自分のありのままを見る必要があるにもかかわらず、これまで何度も試みてきたように、その姿をもう一度歪曲してしまったんだよ。
彼らは広い意味で、スペイン全体をスペインの一地域であるカスティージャ(スペイン中央部の地方)に似せてしまうことを目指した。全員のものを減らしてしまえば、アイデンティティーやメンタリティーの衝突が起こることになる。もし彼らがうまくやっていたならば、カタルーニャの社会における多数が、独自国家や独立に傾いていくことはなかっただろう。