カタルーニャ主義者にとってバルサはこれ以上ない名刺
──集会後に記者たちとロンドを行い、またマラカナンのピッチでシュートを打つあなたの姿も見受けられました。政治の人間でさえ、フットボールを前にすれば分別をなくしてしまうものでしょうか?
M 私は政界に入る前からスポーツが好きだった……。一つ、逸話を語ろうか。私はビラサール・デ・マールで夏を過ごしていたが、15~16歳の頃にそこのフットサルチームの一員となったことがある。
そして、そのチームの監督を務めていた人物が、ジョゼップ・ルイス・ヌニェスだったんだ。もちろん、彼がバルサ会長に就任する、ずっと前のことだよ。
──スペインの代表チームについて、愛でるような思い出はありますか?
M 自分にとって、スペインは第一の代表チームではない。彼らに敵対することもないがね。私はカタルーニャ、バルサの選手が大勢いるときを主として、彼らのトーナメントでの勝利を願っていると常々公言してきた。しかしながらスペインに心を震わせたこと、特別な感情を覚えたことは一度だってない。
──つまり、あなたの家でスペイン代表のタイトル獲得を祝ったことはないのですね?
M いくつかの決勝は目にしたことがあるが、それもフットボール自体への情熱のためだ。しかし彼らの成功をカバで乾杯したことはない。
──代表チームの成功は、スペインという国の誇りを、より強固にすることに役立つものでした。カタルーニャ民族主義者としては、それを怪訝な表情で眺めていたのでしょうか?
M 怪訝には思わないし、かといって冷淡でもない。代表チームを完全に認めない、ということではないんだ。ただ単に情熱の対象ではないんだよ。
──カタルーニャ主義の成功における手がかりとして、グアルディオラが率いたバルサの勝利のサイクルから、何か政治的な解釈はしましたか? アスルグラナのクラブは、その数々の成功を通じて、何か政治的メッセージを伝えているのでしょうか?
M バルサは政治的メッセージを伝えているわけじゃなく、私の理解においては一国のメッセージを伝えている。とどのつまり、彼らは党派主義の守護者というわけではないんだよ。
ただ、この国の大使であるかと問われれば、返答はイエスだ。この世界において、我々カタルーニャは州都のバルセロナ、そしてカタルーニャ主義を守る側に立ってきた一つのフットボールクラブによって知られているのだからね。我々と同じ水準にある多くの国にとって、バルサは資産として喉から手が出るほどほしい存在だろう。
小国の一つが、世界の筆頭とされるフットボールクラブを有しているのは、パラドックスとも言える。本来はイギリス、ドイツ、スペインがそうすべきなのだろうが、奇妙にも我々が、長期にわたってバルサを世界最高のクラブに君臨させ続けている。バルサは我々にとって、これ以上ない名刺であるはずだ。