醸し出す雰囲気に自信や強烈なオーラが加わっているムバッペ
とくに攻撃陣は、キングスレイ・コマン、キリアン・ムバッペ、トマ・ルマール、負傷中だがウスマンヌ・デンベレなど若手が多い。唯一コマンは2016年のユーロを経験しているが、4人ともW杯はもちろん、国際トーナメントの経験はない。
とりわけムバッペは、W杯では最重要メンバーの一人になるポテンシャルを秘めた存在だ。ベラルーシ戦でも、後半の61分、割れんばかりの大声援を受けて投入されると、素早い動きで場をかきまわし、決定機にこそならなかったが、フランスの攻撃ラインは大いに活性化された。
今夏パリSGに移籍して以来、ネイマールとプレーすることに喜びを隠せない、といった様子のムバッペを、ネイマールも相性が良いと感じているようで、弟分のように可愛がっている。
今回の国際マッチデーの直前に行われたリーグアンの第8節、対ボルドー戦は、PSGが6?2と圧勝したのだが、この試合に先発フル出場し1ゴール1アシストと大活躍だった彼が、試合後、ミックスゾーンに現れた姿を見て少し驚いた。
もともと年のわりに落ち着いた選手ではあったが、醸し出す雰囲気に自信や強烈なオーラが加わっていて、少し前とはまるで別人だった。
いかにパリでの生活が充実しているかがその佇まいから溢れ出ているようだったが、W杯本戦までにムバッペは相当成長しそうだ。昨季モナコで積み始めた成長の素材を、さらに高く積み上げている、そんな感じがする。昨季はファルカオ、今季はネイマールやカバーニという、強力な先輩に導かれていることでも彼は加速的に進化している。
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