タレント揃いの状況だけに、指揮官に対する不満も
選手たちのコメントを見ても、
「若干安定さは欠いていたが、この試合で必須だったことは達成できた」(主将のロリス)
「試合の内容については怪しい部分もあったが手にすべきものを手に入れた」(ジルー)
「課題を探すにしても、試合勝ってそうした方が負けてするよりずっといい」(ディーニュ)
と、彼ら自身内容には満足していない。メディアでも、出場権獲得については評価しながらも、『このままでレ・ブルーは大丈夫なのか?』と危惧する内容が目立った。
98年の優勝チームでデシャン監督とチームメイトだった現コメンテーターのクリストフ・デュガリーも、「フランスほどの強豪国なら、目標を達成するだけの試合ではダメだ、内容も伴わなければ。これだけタレント揃いのチームであれば、どれくらい機能できるかデシャン監督自身よく理解しているはず」と元同僚にダメ出し。
ブルガリア戦もベラルーシ戦も策といった策が見られず、その場しのぎのプレーで運良くゴールが入った、という感じの展開だったことに不満を抱いている人は彼だけではない。
当然、『デシャン体制で大丈夫なのか?』という疑問も噴出しているが、フランスフットボール連盟(FFF)のノエル・ル・グラエ会長は「予選突破という課題は完遂した。今後の方針は時間をかけて指揮官と詰めていく」とサポートする姿勢を強調している。
まぁ、すぐにでもすげかえたい人材もいない今、デシャン監督について疑念は湧き出ても、現実的に解任を望む声は上がらないといったところだ。ここから本戦までの約8ヶ月でひとつの指標となるのは、成長期にある若手がどれだけ伸びるかだろう。