U-17日本代表の森山佳郎監督【写真:舩木渉】
U-17日本代表は11日、U-17W杯のグループステージ第2戦でフランスに1-2で敗れた。
ともに2連勝をかけた一戦は、フランスに力の差を見せつけられる結果となった。開始13分で失点した日本は、後半にPKで1点を返したものの、流れの中で決定機をほとんど作らせてもらえず、勝ち点をもぎ取ることはできなかった。
試合後、日本の森山佳郎監督は「序盤からちょっと相手のスピード、1対1の強さに対応できなかった部分がある」と振り返り、敗戦を悔やんだ。攻撃でもボール支配率こそ高いものの、特に前半は相手の危険なエリアに入り込むことができなかった。
その原因について、指揮官は縦パスの回数が少なかったことも踏まえつつ「縦に入ったところでも、なかなか相手の守備の強さ、足の長さで前に起点を作れなくて、中盤からのサポートを待てなかった」と分析した。
後半は幾分か盛り返したが、結局は「ラストのクオリティをもうちょっと上げていかない」という結論に至ったようだ。
守備面でも個の力でフランスに上回られた。ディフェンス陣は後手を踏み、相手の強力なアタッカー陣を止めきれない。2つの失点シーンはいずれもプレッシャーが甘くなったところを突かれ、フランスのアタッカーに先手を取られたことで勝負あり。「なかなか的を絞らせてくれない」という監督の言葉通り、多彩な攻めに翻弄された。
しかし、この敗戦を「僕らは全く悲観的に捉えていない」と、経験豊富な森山監督は強調する。「ノックアウトステージに向けたいいレッスンだったかなと思います」と前向きに受け取り、あくまで決勝トーナメント進出後を見据えるチームの現実を直視する有意義な機会と考えている。
1敗こそ喫したものの、日本にはグループステージ突破の大きな可能性が残されている。グワハティからコルカタへ移動し、14日に行われるニューカレドニア戦に勝利すれば、自動的にベスト16へ進めるグループ2位以内は確実となる。
次の対戦相手は11日にホンジュラスと対戦して0-5で敗れ、8日の初戦ではフランスに1-7で完敗を喫した。日本にとって格下ではあるが、それでも侮れない相手であることに疑いはない。2位以内での決勝トーナメント進出を果たすためにもフランス戦で露呈した課題を修正し、万全の準備をして大量得点での勝利を狙っていきたいところだ。
(取材・文:舩木渉【グワハティ】)
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