攻撃的なサッカー目指すも、真っ向勝負で打ち砕かれた自信
第8節、仕切り直しのイスラエル戦でも大苦戦。マケドニア戦では3-4-3にシステムを変え、サイドでベタ付きとなっていたインシーニェらをゴールに近づける戦術をとったが、流れは変えられなかった。そしてアルバニア戦では再び4-2-4に戻すが、パフォーマンスは凡庸なままだった。
手数の少ないパスで攻守を切り替えてゴールに迫るという意図があるとはいえ、中盤を分断されれば繋げにくい。サイドにも人数を集められてパスが出せず、そんな状況で中盤に落ちてパスのつなぎを助けてくれるようなFWがいないことも苦戦に輪をかけた印象だ。
選手個々にもミスが多かった。囲まれたところでパスの精度も、またそれを引き剥がす貰い手の動きの量もそれぞれ不足しており、ミスパスを拾われてカウンターでチャンスを作られている。チーム全体が迷いの中にいることは、こういうところにも見て取れた。
ヴェントゥーラ監督に率いられたアッズーリは、この予選中には意識して攻撃的なサッカーを作り上げようとしてきた。振り返ればスペイン相手には、EUROでの対戦のようにタフな守備からカウンターで攻略というのが一つの手だったはずだが、彼らはこれまでの4-2-4で真っ向勝負に出ている。その結果自信は打ち砕かれ、そのショックを払拭できずにここまで来た。
果たしてプレーオフまでに、仕切り直しはできるのか。リーグ戦ではイタリア人の若手選手の台頭が続き、それが代表にもきちんと繋がっているのは好材料だ。だがこのままのムードを引きずるようなら、相手がどこであれ苦戦を強いられそうである。
(文:神尾光臣【イタリア】)
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