久保建英に徹底マーク? 期待されるエース宮代大聖の爆発
アンカーを務めるクラウディオ・ゴメスを筆頭に、センターバック2枚も加えたトライアングルで久保の周りに網をかけてくる可能性は十分に考えられる。ホンジュラス戦は相手ダブルボランチの裏のスペースをうまく使えたが、フランスがそれを簡単に許すとは考えづらい。
そこで期待されるのが、日本のエースストライカー・宮代のプレーである。ホンジュラス戦での中村のハットトリックから「多少の刺激はあった」と語る背番号11は、相手が強ければ強いほど印象的な結果を残してきた実績がある。
日本は10日の練習で、サイドに大きく展開して相手を揺さぶり、ゴール前に低くて速いクロスを送ってシュートまで持ち込む形を繰り返し試していた。
これは森山監督の「(相手のDFは)大きい分、そんなに俊敏に動けないと思うので、大きければ大きいほどチャンスとも言えるかもしれない」という分析によるものだろう。指揮官は「蜂のようにすばしっこく、シュルシュルすり抜けて相手のゴールに迫っていきたい。何人も連続して次々湧いてくるような攻撃ができたらなと思います」と、攻撃のイメージを膨らませていた。
小さくても、群れで攻撃対象に襲いかかり、とどめの一刺しを持つ凶暴な昆虫、それが蜂である。まさにフランスという巨人に立ち向かう日本のようだ。
宮代も「相手のセンターバックもDF陣も大きいので、そこは高さじゃ絶対に勝てないと思いますし、日本人の特徴として俊敏性や一瞬の動きがあって、チーム全体でも持っているので、そこは大きい相手に対してどれだけクロスだったら、低くて速いボールでというのをやっていました」と、蜂のようにゴールに襲いかかる日本の姿を頭に思い描けている。
まずは相手も狙っているであろうセットプレーや、単純なミスで簡単に失点しないこと。そして好調の前線の選手たちが、少ないチャンスでも決めきらなければ勝利は見えてこない。宮代は「徹底してボールを動かして、相手を揺さぶって、隙を作ることを意識していきたい。まず第一にチームの勝利を考えて、自分の得点でチームを勝利に導けたらと思う」と、エースの自覚を口にしていた。
日本の良さを発揮できれば、フランスにも十分に勝てるだけのポテンシャルはある。決勝トーナメントでより有利な状況を作り出すためにも、2連勝は今大会における最初の重要なミッションだ。
(取材・文:舩木渉【グワハティ】)
【了】