鍵になるセットプレーの守備。攻撃は「蜂のように」
日本は10日の練習でセットプレーの守備を重点的に確認していた。森山監督も「セットプレー(でペナルティエリアに入ってくるの)はほぼ5枚、180cm台後半から190cmなので、どうやっても物理的に厳しい。そこはしょうがない」と認めたが、「体をぶつけていく、フリーで(シュートを)打たせない、ゴールのカバーも含めてとか、ネットを揺らさせないというところ」で、普段以上に神経を使いながら守る姿勢を強調した。
前の試合に引き続きセンターバックに入る小林も「全体的に僕らよりも身長が高いので、仮に自分が先に触れなくても、できるだけ相手にいいヘディングをさせないようにしっかり身体をぶつけて、最後まで相手に自由を与えないことが大事」と、セットプレーでの守備を強く意識していた。
もちろんフランスの武器はセットプレーだけではない。ニューカレドニア戦で3アシストを記録したヤシン・アドリ(7番)、同じく2ゴール1アシストでU-17欧州選手権得点王のアミン・グイリ(9番)、リヨンでトップチームデビュー済のウィリアム・ギュベール(11番)、そして中盤で組み立てにも得点にも絡めるマクセンス・カケレ(10番)と、攻撃陣には有望なタレントが目白押し。
そんな相手に対し、小林は「まずは相手に触らせないこと。中盤や前の選手をコントロールしながらFWへのコースを消させて、入ったボールは僕がしっかり前で潰して、相手にプレーさせないことを意識したい」と積極的な守備を実践する姿勢を見せた。ホンジュラス戦ではほとんどピンチがなかっただけに、日本ディフェンス陣の真価が問われる。
一方の攻撃面は、「こっちも負けないくらいの攻撃力はあると思う」と森山監督が自信を見せる通り、日本の魅力の一つでもある。ホンジュラス戦でハットトリックを達成した中村を筆頭に、久保、宮代、上月の組み合わせはフランスにとっても脅威になるだろう。
しかし、フランスは久保に徹底マークをつけてくるかもしれない。エースFWグイリは「久保はU-20W杯に出ていた」と、日本の背番号7のプレースタイルを知っていた。「非常に強力な選手。とても素早くて、得点も狙える」という評価からもわかるとおり、久保はフランスが最も多くの情報を持っている選手であり、厄介な存在ということだろう。