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日本代表 7年前

【識者の眼】乾貴士のタメと浅野拓磨の推進力。非対称な両サイドが生むハリルJの新メカニズム

10日、キリンチャレンジカップ2017でハイチ代表との一戦を迎える日本代表。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は6日に行われたニュージーランド戦から大幅な先発変更を示唆したが、サイドのアタッカーの位置には乾貴士、浅野拓磨が入ることが有力視されている。タイプの異なる2選手が両サイドに配置されることで、ハリルジャパンの新たな型が見えるかもしれない。(取材・文:河治良幸)

text by 河治良幸 photo by Getty Images

スタメンが確実視される乾と浅野。タイプ的には“非対称”

ハイチ戦でスタメンが予想される乾貴士(写真右)と浅野拓磨(写真左)
ハイチ戦でスタメンが予想される乾貴士(写真右)と浅野拓磨(写真左)【写真:Getty Images】

 ロシアW杯への“第三段階”のスタートとなる10月シリーズの2試合目となるハイチ戦。ここ半年間で選手が大幅に入れ替わり、監督も交代するなど未知数な部分の多いチームとの対戦だが、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はニュージーランド戦と違うスタメンを送り出すことを明言した。

 スタメンが確実視される選手に乾貴士と浅野拓磨がおり、彼らは[4-3-3](4-1-2-3)あるいは[4-2-3-1]で左右のサイドに入ることになる。タイプ的に“非対称”と表現できる関係だ。

 左サイドは原口元気、武藤嘉紀、乾貴士の競争となっているが、それぞれタイプが異なる。もっとも原口と武藤は縦を狙う意識が非常に強い点は共通する。

 乾は技巧的なドリブルやタイミングの良い飛び出しで縦やゴール方向を狙うこともできるが、足下で受けてタメを作りながら、周りを使うプレースタイルを確立しつつある。

 乾は代表におけるサイドハーフやウィングの役割について「得点を取ったり、裏に抜けるというところが一番求められている」と前置きしながらこう語っていた。

「自分が左で出ていたら右サイドは(浅野)拓磨か(久保)裕也か、違いがあるので、その選手の特徴を生かしたり、FWの選手の特徴を生かしたりとか、サイドバックの選手のいいところを出していくというのはやっていかないといけないと思います」

 ニュージーランド戦を前にそう語っていた乾は70分に武藤との交代でピッチに立つと、左サイドでボールを受けては縦のドリブルと見せかけて中に切り込み、中と見せかけて縦を狙い、さらにインサイドハーフの井手口陽介や左サイドバックの長友佑都、左に流れてきた小林祐希ともパスを交換しながら、引き気味になったニュージーランドの守備を翻弄した。

 左足のクロスでファーサイドを駆け上がる酒井宏樹のヘッドでのリターンを引き出し、倉田秋の決勝点をお膳立てしたプレーも一度サイドチェンジを入れて、そこから酒井宏樹、長友を経由して戻ってきた状況で空いた縦を突いた形だった。

 そうしたプレーは“ザックジャパン”で左サイドを担っていた当時の香川真司に重なる。乾はより自由度が高いように感じられるが、縦を狙う基本的なチームの志向を理解しながら、柔軟にタメを作り、周りを使うプレーでアクセントをもたらしているのだ。

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