存在感はあったが「これくらいできて当然」
2018年ロシアワールドカップ本番に向けた本格的強化の第一弾となった6日のニュージーランド戦(豊田)を、大迫勇也(ケルン)と倉田秋(G大阪)の2発で辛くも2-1で勝ち切った日本代表。しかし、過去2回の世界舞台を経験している長友佑都(インテル)が「自分のプレーもそうだし、チーム自身も今のままではワールドカップでは結果が残せない。全てにおいてもっと精度を上げなきゃいけないし、(クリス・ウッド=バーンリー)の失点もクロスの部分から防がなきゃいけなかった。課題は沢山ある」と翌7日に険しい表情を浮かべた通り、チームとしてさらなる進化を遂げないと2014年ブラジル大会のリベンジは果たせない。
ニュージーランド戦は最終予選で出場機会の少なかったメンバーのテストの場でもあったが、強烈アピールに成功した選手は槙野智章(浦和)、乾貴士(エイバル)、倉田らわずか。小林祐希(ヘーレンフェーン)も後半15分から香川真司(ドルトムント)と代わってピッチに入って好印象を残したが、「評価に値するかは分からない。あの時間帯であの相手だったら、これくらいできて当然。というか、もっとできなきゃいけない」と物足りなさを感じたという。
2016年6月のボスニア・ヘルツェゴビナ戦(吹田)で初キャップを飾り、11月のオマーン戦(鹿島)で初ゴールを決めた92年生まれのレフティにとって、ニュージーランド戦は11カ月ぶりの国際Aマッチ。しかも代表での最長プレー時間を与えられた。
初キャップの時はポジションを大胆に変えながらゴールへの野心をギラギラとむき出しにし、先輩の本田圭佑(パチューカ)に「祐希が代表でツメ跡を残そうとしたのは気持ちは僕は伝わりましたけどね。何人か見てる人も分かったんじゃないかと思います」と言わしめたが、エゴが前面に出すぎている嫌いがあった。けれども、あれから1年4カ月の時間が経過し、オランダで2シーズン目を迎えた小林はピッチ上に落ち着きをもたらし、サイドチェンジやリスタートのキックの精度の高さを披露。何度か得点につながりそうなチャンスも作った。