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日本代表 7年前

香川真司の消化不良感。発揮しきれない実力。日本の10番が攻撃の中心として輝くために

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「我々の知っている香川本来のレベルではない」(ハリルホジッチ監督)

ドルトムントで輝く香川だが、日本代表チームではその実力をいかんなく発揮しているとは言い難い
ドルトムントで輝く香川だが、日本代表チームではその実力をいかんなく発揮しているとは言い難い【写真:Getty Images】

 ドルトムントで常日頃から世界トップの相手と対峙している彼は、ワールドカップ本大会のクオリティの高さをよく理解している選手。ゆえに、今回のニュージーランド戦に多少の違和感を覚えるのも分かる。左肩脱臼が癒え、ようやく所属クラブで出場機会が増えてきた時に、親善試合のために長距離移動しなければならない負担も感じていたかもしれない。

 酒井宏樹(マルセイユ)も「海外組の選手たちは長いシーズンの途中で帰ってきているので、意味のある経験にしないといけない」と話していたが、やはりロシア行きの決まったこのタイミングでの代表テストマッチの位置づけは欧州組にとっては特に難しいものがあるようだ。

 とはいえ、8ヶ月後のワールドカップ本番まで海外組が参加できる国際Aマッチは今回を含めて7~8試合しかない。日本サッカー協会の田嶋幸三会長も「プレーオフに回る可能性があったので、正直、今回のマッチメークは難しかった」と本音を吐露したが、そういった事情も受け止めて、チームの強化、自身のレベルアップに集中するのが選手の務めだろう。

 この日の香川が圧倒的経験値を誇る攻撃リーダーとして合格点を与えられる仕事をしたかといえば、十分とは言い難い面がある。そこを彼自身、しっかりと整理・分析して、完全復活への道筋を描いていくべきだ。

 ハリルホジッチ監督も「我々の知っている香川本来のレベルではない。ボールを持っていない時のプレーをより速くして、どんどんチームメートに絡んでいくことを要求している。トレーニングを続けて、高いレベルを取り戻すことが必要だと思う」と改めて注文をつけていた。

 指揮官があえてそんな発言をするのも、卓越した国際経験と実績を高く評価しているから。これまで積み上げてきたものを今一度、思い出して、自分が日本代表のエースナンバー10として何をすべきなのか。そこを香川真司にはしっかりと突き詰めていってほしい。

 次なるターゲットは10日のハイチ戦(横浜)。そこに向けて心身両面の切り替えを図ってもらいたい。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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