決定機もあったが…またも不完全燃焼感を覚えることに
本田圭佑(パチューカ)、岡崎慎司(レスター)の両30代アタッカーがメンバー外となる中、国際Aマッチ87試合・28ゴールという比類なき実績を誇るエースナンバー10・香川真司(ドルトムント)に日本代表攻撃陣をけん引してほしい…。それはヴァイッド・ハリルホジッチ監督のみならず、チーム全体、サッカー界全体に共通する思いだっただろう。
本人も6日のニュージーランド戦(豊田)を前に「攻撃面において(自分が)チームを引っ張っていけるかって意味では、すごく楽しみなゲーム。前回(2014年ブラジルワールドカップ)はまだ24~28歳の時で、まだまだ未熟な部分も沢山あった。そういう経験を経たから今、自分自身もメンタル的なところですごく安定していると感じる。この2試合でしっかり勢いであったり、実力を証明していきたい」と語気を強めていた。
その意欲を前面に押し出すように、6月のシリア戦(東京)以来のスタメンに陣取った香川は開始早々の15秒、いきなり振り向きざまのシュートを打ちにいった。
相手の5バックが下がり気味になる中、背番号10はそこを自由自在に動いて攻めに絡む。出だしの感触は悪くなかった。8分には左CKの流れから山口蛍(C大阪)が頭で流したボールに反応。前線でDF2枚を揺さぶりながら右足を一閃。これは枠を捉えたかと思われたが右ポスト直撃となりゴールは奪えない。
さらに前半24分には山口のインターセプトから決定的なスルーパスが通ったが、この得点機もモノにできなかった。この1つでも決まっていたら…と思わせたが、結局、3本のフィニッシュの機会をゴールにつなげられず、60分でピッチを後にすることになった彼は、またも不完全燃焼感を覚えることになった。
「フィニッシュの冷静さが足りない? どうなんですかね。それはどの世界でもあることだし、入る時は入ると思うし。別にゴール前で焦ってたわけではないので。ただ、決めきれないと、結果を残せないと、何とも言えない世界。そこは次の試合に向けて1人1人がより強く持ってやれればいい」と本人は必死に前を向いたが、表情は険しいままだった。