3ポイント獲得へ、点をとらなければならない試合のテスト
【日本2-1ニュージーランド】
ワールドカップのグループリーグでは得点して勝たなければならない試合がある。グループのシード国に対して、さらにそれに準ずる力のチームに対して、日本の基本的な戦い方は守備重視のカウンター狙いになるだろう。
ただ、少なくとも1試合は3ポイントを狙えないとグループリーグ突破は難しい。ニュージーランド戦はそのためのテストになった。
ニュージーランドは技術的には粗いが、コンタクトプレーと空中戦が強い。フィジカルの強さを前面に出してくる相手に慣れておくのも目的だったが、この試合のポイントはいかに点をとるかだったと思う。とはいえ、戦い方のベースを大きく変えるわけにもいかない。先発に関しては香川真司の起用だけが点をとるための変化だった。
香川はインサイドハーフではなくトップ下で起用されている。インサイドハーフに比べると攻撃の特徴は出しやすい。久保と武藤の両翼は縦に上下動するタイプなので、ボランチ3枚を必要としない試合ならば香川のポジションは下げないほうがいい。
久保、武藤、浅野、乾、原口はいずれも縦の速さが特徴だ。遅攻のときにインサイドに入ってパスワークの軸となるタイプとは違う。中央で変化をつけられる選手が必要なので、トップ下はいたほうがいいのだ。
ただ、香川は前半に決定機を外し、期待されたほどの“違い”は作れなかった。後半は小林がパスワークを活性化させ、最後は倉田と並ぶ形で最も攻撃的な布陣を試している。しかし、それで攻撃力に大きな変化があったかといえば、そこまでの収穫はなかった。