快調なスタートも、本人は危機感を募らせる
同時に、レスターでのプレーも3年目となり、チームメイトの意思疎通ができていることも要因に挙げる。
「シンジはこうするだろう、というのをもう分かってきていると思うので。プラス、シンジがこういうことが好きなのか、というのが理解してきてもらっているようにも思う。
今までは味方に僕が合わせて、『シンジやりやすいな』と思わせたと思うんですけど、逆に今はこういうことが得意なんだ、ともっと分からせていけたらいいな、と思う。2年間このメンバーでやってきて、どこにこぼれてくるのかとか、どうやってやったら自分が決められるのかというのはずっと見てきた」
快調なスタートも、本人は「続けなければいけない」と真剣な眼差しで話し、目標とする二桁得点についても「油断できない。試合に出られるか、常にわからないですからね」と冗談交じりに笑いながらも、危機感を募らせた。
これまでイングランド国内では、ブンデスリーガのマインツ時代の点取り屋のイメージが完全に鳴りを潜めてきた岡崎。日本代表では3大会連続となるワールドカップ出場を目指すが、今回のニュージーランド戦(6日)とハイチ戦(10日)では、国内組で臨んだ大会を除くと12年10月以来の招集外となっている。
格下相手の親善試合のために「温存された」と言われる一方で、一部ではヴァイッド・ハリルホジッチ監督のサッカーに合わないという声が出るなど、ここに来て黄信号が灯ってきた感もある。そんな逆風を封じてW杯への切符をつかむには、プレミアでの活躍が必至。
岡崎は「選ばれなかったらこっちでまた頑張ってやるというスタンス」と話していただけに、今後2週間しっかりと調整して16日のウェストブロミッジ戦に臨みたいところだろう。
普段、代表戦直後のリーグ戦では、長距離移動の影響が考慮されて控えとして扱われることが多いが、今回はその心配がない。イングランドに残されたサムライの活躍に期待したい。
(取材・文:Kozo Matsuzawa / 松澤浩三【イングランド】)
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