前線と最後尾の距離が間延び。生まれたスペースを突かれる
そしてボールを奪ってからは、ボヌッチとアンカーのルーカス・ビグリアが一気に前線へミドルパスを放ち、攻撃への素早い切り替えを目指した。スピードのある2トップと両WB、そして中盤のハカン・チャノハノールやフランク・ケシエがパワフルに前線へと迫った。
そして中盤のタフな守備により、ローマの前線を孤立させることにも成功した。ここ最近の試合で安定感に欠けた3バックもCFのエディン・ジェコに対し余裕のある対応ができるようになっていた。
後半になるとサイドを一気に破り、シュートを狙えるシーンも増えるようになった。しかし、そんなペースが続いたのも60分過ぎまで。運動量が徐々に低下し、前線と最後尾の距離が間延びしてくると、中盤にはスペースができるようになった。そして72分、ローマにそこを突かれた。
チャノハノールの運動量低下でできたスペースを、ローマの若手MFロレンツォ・ペレグリーニにまんまと使われた。
61分にも正確なスルーパスを放ってビッグチャンスを作っていた彼は、サイドでのボール奪取に呼応してスペースに顔を出す。そしてパスを受けると前線へボールを運び、ビグリアの当たりを受けながらも縦パスをジェコへ通した。ジェコはマテオ・ムザッキオのマークを振りほどき、ミドルシュートをゴール右下へと突き刺した。