まだA代表では思うように地位を築けていない
その彼らも24~25歳。サッカー選手としての絶頂期を迎えているが、今の日本代表では思うように地位を築けていない。森重真人(FC東京)の不振とケガで昌子がレギュラーの一角を崩したものの、それ以外は出場機会すら満足に得られていない。
オーストラリア戦で武藤と杉本が揃ってベンチ外になったのを見ても、厳しい現実がよく分かる。ここからその立場をどう変えていくのか。そこは日本代表にとっても重要なテーマと言っていい。
まずFW陣だが、武藤と杉本が絶対的1トップ・大迫勇也(ケルン)に挑む形となる。大迫の前線でボールを収める力、時間を作るうまさは傑出しており、ハリルホジッチ監督も高く買っている。
右サイドに久保や浅野拓磨(シュツットガルト)、左サイドに乾貴士(エイバル)や原口元気(ヘルタ)ら矢のように突き進むタイプを置く場合は大迫の重要性が一段と増す。その役割に近い仕事をこなしつつ、それぞれの個性を出すことが武藤と杉本には求められている。
「(前線で)戦うところは監督もつねに求めている。ただ、世界へ行けばもっと強い選手がいる。まずはニュージーランドであったり、ハイチであったり、そういう試合でやれるところを見せないといけない。起点になることだけじゃなく、チームプレーも大事ですし、守備の面も動き出しも点を取ることも全てが大切」とハリルホジッチ監督から「もっとできる」とハッパをかけられた杉本は意気込みを新たにしていた。
彼の強みは187cmの高さがありながら、技術と速さに優れている点。欧州ではバイエルン・ミュンヘンのロベルト・レヴァンドフスキのような確固たるターゲットマンを擁するチームもあるが、ハリルホジッチ監督もそういう選手がほしいのか、以前から杉本への期待を公言してきた。
今季J1でのゴール量産でそこに一歩近づいたわけだが、欧州で活躍している岡崎慎司(レスター)、大迫、武藤を超えられるかは未知数。ここでやらなければ先がないというくらいの迫力を見せてほしい。ヴォルフスブルク戦で今季3点目を叩き出した武藤にしても同様だろう。