「他にもいっぱいいい選手はいるぞ」。ハリル監督の檄
2018年ロシアワールドカップ出場権獲得から1ヶ月。日本代表が10月1日から愛知県内で10月2連戦(6日・ニュージーランド=豊田、10日・ハイチ戦=横浜)に向けた強化合宿に入り、9ヶ月後の本大会へ本格的なサバイバルをスタートさせた。
初日は昌子源(鹿島)ら国内組9人のみの参加だったが、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は約20分間の冒頭ミーティングを実施。前日のJリーグでのパフォーマンスにダメ出しをしたうえで、「それじゃあワールドカップには行けない。他にもいっぱいいい選手はいるぞ」と檄を飛ばした。
6月の最終予選・イラク戦(テヘラン)から吉田麻也(サウサンプトン)のパートナーに定着した格好になっている昌子も「序列的に僕が(センターバックの)2番目なのかって言ったら、全然そうは思ってないんで」と危機感を露わにしたが、出場機会の少ない選手はなおさらだ。
8月31日の最終予選・オーストラリア戦(埼玉)のゴールで時の人になった井手口陽介(G大阪)のように急成長する新戦力が次々と出てこないと、ロシアでの躍進は難しいだろう。
とりわけ、最大勢力に躍り出た92年生まれのプラチナ世代には奮起が求められる。昌子を筆頭に、杉本健勇(C大阪)、欧州組の武藤嘉紀(マインツ)と小林祐希(ヘーレンフェーン)、93年早生まれの遠藤航(浦和)、初招集の車屋紳太郎(川崎)と今回の2連戦には6人のメンバーがいる。
ケガで見送りとなった柴崎岳(ヘタフェ)と大島僚太(川崎)、欧州での出場機会減で遠ざかっている宇佐美貴史(デュッセルドルフ)も含めれば、9人は名を連ねていた可能性があったのだから、彼らの存在は見逃せない。
10代の頃から怪物扱いされてきた宇佐美と柴崎、高校や大学でチャンスをつかんだ昌子や車屋、海外へ出て大きく飛躍した武藤と小林など、92年組の成長過程はさまざまだ。
「俺なんか、高校の時はホント無名やった。大津の紳太郎と練習試合で対戦したことがありますけど、トップ下をやってて、『あいつヤベえな』と感じたのを覚えてます。大島僚太もそうやけど、すごいやつはいっぱいおった」と昌子がユース時代を述懐するほど、才能にあふれた選手が多かったのは確かだ。