「私は左利きの左サイドバックを探していた」(ハリルホジッチ監督)
杉本を見出したヤマザキナビスコカップで、車屋は左サイドバックとして先発フル出場していた。その後の日本代表候補合宿にも招集している25歳を、ハリルホジッチ監督はこう位置づけている。
「私は左利きの左サイドバックを探していた。サイドバックは攻撃でも守備でも大きな役割を担うポジションだ。攻撃も守備もどこまでのレベルでできるかを見たい。左利きの少ないいまの日本代表において、彼にもチャンスをつかんでもらいたいと思っている」
初采配をふるったチュニジア戦で藤春廣輝(ガンバ大阪)を先発フル出場させたハリルホジッチ監督は、続くウズベキスタン戦の後半開始とともに太田宏介(FC東京)をピッチに送り出している。
太田はシンガポール代表とのワールドカップ・アジア2次予選初戦でも先発フル出場している。指揮官が就任当初から左利きの左サイドバックを探していた証でもあるが、ともに定着しなかった。
時間の経過とともに長友佑都(インテル・ミラノ)を主軸として、酒井高徳(ハンブルガーSV)と本来はセンターバックの槙野智章(浦和レッズ)がバックアップを務めてきた。全員が右利きだ。
そして、約2年半の歳月をへて、車屋にチャンスがめぐってきた。最終的に5‐1で大勝したセレッソ戦ではチーム2位の走行距離11.270キロを記録するなど、運動量の多さも評価されている。
「ただ、フロンターレでは走っているほうかもしれないけど、他のチームの選手に比べたら全然走っていないと思うので。代表ではもっとタフに戦わないといけないし、アップダウンを繰り返すことも大事だし、球際ももっと激しくいかなきゃいけないと思っています」