「アイツにとってはすごく大きなチャンスだと思う」(中村憲剛)
加入時から間近でともにプレーしてきたフロンターレの大黒柱、36歳の中村は178センチ、73キロの体に秘められた車屋のポテンシャルを認めつつも、「まだまだ」という言葉を常に残してきた。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督から「機会を与えるのに値する内容を見せている」と高い評価を受け、日本代表に初めて招集されたいまも「ちょっと毛が生えたくらいかな」と苦笑いする。
「本人がおそらく一番わかっていると思うので。でも、経験を積んできていることは確かだし、左利きの左サイドバックはいまの日本代表にいないから、アイツにとってはすごく大きなチャンスだと思う。ポジショニングやいつプレスにいくのか、というタイミングは代表で覚えてきてほしい。
ウチでもかなり詰め込まれて、絞られているところでもあるんだけど、それでも身体能力で何とかしようとするところがあるからね。まだ若いからいいけど、ここからさらに日本代表での経験とかがついてくれば、ポジショニングなんかもまた変わってくると思っているので」
ハリルホジッチ監督の初陣となった2015年3月のチュニジアおよびウズベキスタン両代表との国際親善試合。31人のメンバーが招集された一方で、車屋もバックアップメンバーに名前を連ねていた。
就任会見から間もない3月18日。当初は視察予定になかったヤマザキナビスコカップのグループリーグ、フロンターレ対グランパスへ急きょ足を運び、一夜明けたメンバー発表に臨んだ。
等々力陸上競技場のピッチで後半の数分間しかプレーしていなかった、当時フロンターレ所属のFW杉本健勇(現セレッソ)に一目惚れし、以来、追跡してきたのはいまでは有名な話だ。
少しでもポテンシャルを感じさせる選手がいれば、ラージリストに加える。最終的には100人に達した、ワールドカップ・アジア最終予選の予備登録メンバーのなかには車屋も含まれていた。