サイドバック転向後3年目。風間監督によるコンバート
後半28分にも同じく走り込んでくる小林を狙った、緩やかな放物線をペナルティーエリアの左側から放った。左利きの左サイドバックだからこそ供給できるクロスに、大きな自信を宿らせつつある。
「相手のセンターバックは大きい方なので、味方が勢いよく飛び込んでこられるようなボールを意識しました。相手の形などを見ながら蹴っているので、たとえば小さな選手だったらアーリークロスか、速いクロスを入れるようにはしています」
けが人が続出し、序盤戦では一時的に野戦病院と化した今シーズンのフロンターレで、フィールドプレーヤーではフルタイム出場のDF谷口彰悟とともに、全28試合で先発出場を続けている。
ルーキーイヤーの2015シーズンから左サイドで放ってきた存在感を、フロンターレにとってますます欠かせないものにしている今シーズン。サイドバックに転向して、実は3年目でもある。
熊本県の強豪、県立大津高校では攻撃的なポジションで全国高校選手権の優秀選手に選出され、筑波大学では風間八宏監督(現名古屋グランパス監督)のもとでセンターバックにコンバートされた。
そして、4年生になった直後の2014年4月に早々と卒業後の加入を内定させたフロンターレで、再び指導を受けることになった風間前監督から左サイドバックという新たなポジションを与えられた。
「もともと高校までは攻撃的なポジションでプレーしていましたし、大学からはセンターバックになりましたけど、そのなかでも攻撃参加はけっこう得意なほうだったので。それを見ていたこともあって、風間さんはサイドバックというポジションをやらせてくれたと思っています。
もちろん最初は難しさを感じましたし、ずっと専門に左サイドバックをやってきた選手たちに比べたら経験もやっぱり経験も少なかったと思います。でも、3年間しっかりとプレーすれば、サイドバックとしての形が見えてくるんじゃないかと思って頑張ってきました」