新顔のメンバー入りに期待が集まったが
ゴールキーパーから数えて全体で7人目、サイドバックでは4人目として初招集の車屋紳太郎(川崎フロンターレ)の名前が読み上げられた瞬間、その後の人選に大きな期待が寄せられた。
しかし、24人が出そろってみれば、初顔は25歳の左サイドバックだけだった。オーストラリア、サウジアラビア両代表と戦った直近のシリーズに招集されなかった復帰組も、倉田秋(ガンバ大阪)と遠藤航(浦和レッズ)の両MFにとどまった。
28日に都内で発表された、ニュージーランド、ハイチ両代表とのキリンチャレンジカップ2017に臨む代表メンバー。新たな戦力の抜擢もあるのではと思われた選手選考は、表現は悪くなるが、これまでと代わり映えしない顔触れとなった。
6大会連続6度目のワールドカップとなる、来年のロシア大会出場を決めた直後、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「次の合宿のリストには、少し新しい選手を入れようと思う」と語っていた。
選考の過程では、けがという予期せぬハプニングもあった。新天地ヘタフェでの初ゴールをFCバルセロナ相手に決めたMF柴崎岳が、その試合で左足の甲を痛めて戦線離脱した。柴崎は前回シリーズで約2年ぶりに復帰し、サウジアラビア戦では先発していた。
直近のJ1ではMF大島僚太(フロンターレ)が左太もも肉離れで全治2ヶ月の、MF齋藤学(横浜F・マリノス)が右ひざ前十字じん帯損傷で同8ヶ月の見込みという重症を負った。
「心配なところはけが人が多いことだ。今回の合宿のために追跡した選手たちのなかにも、3人のけが人がいる。柴崎、大島、そして最近好調だった齋藤も候補の一人だった」
3人の招集を視野に入れていたことを示唆したハリルホジッチ監督は、今回の国際親善試合を通した10日間の合宿の目的をこう位置づけている。
「今回の合宿では、いままであまり出ていなかった選手たちに出場機会を与えたい。この合宿のテーマのひとつは、チームを成長させることだ。ロシアの美しい街並みを見るだけでなく、勝利、あるいは引き分けという結果をしっかりと残さなければいけない。この合宿から準備が始まる」