会見は“PK騒動”の話題で持ちきり。エメリ監督は真摯に対応
この10日間続いた喧騒も、これで一段落しそうだ。
9月17日のリーグ・アン第6節、対リヨン戦で、ネイマールとカバーニがPKをどちらが蹴るかでもめた一件以来、メディアはしつこくこの話題を取り上げ、それに派生して、カバーニがエゴイストであるとか、ネイマールがカバーニの退団を会長に直談判したとか、信ぴょう性のさだかでない情報が次々と噴出していた。
この一件後、初めてメディアがクラブに接触した9月21日の公開練習とウナイ・エメリ監督の会見では、この話題で持ちきりだった。ズラリと並んだカメラは、ネイマールが動くたびにけたたましくシャッター音を上げ、スポーツニュースのリポーターは、「いま私の後ろで、渦中の2人は並んでボールを蹴っています。関係は修復されたと見て良いのでしょうかっ!」とマイクに向かってまくし立てていた。
そこらじゅうの記者を捕まえては、カメラを向けて2人のエゴ問題についてコメントを集めていた見かけない顔のリポーターは、はるばるイスラエルから来たという。
会見でもエメリ監督に投げられたのは、「2人と話をしたか?」「指揮官としてどう対処するつもりか?」「どちらに蹴らせるか決めたのか?」とこの話題ばかり。
うんざりした気配も見せずに丁寧に答えていたエメリ監督の回答は、「2人とは話をした」「今後はどちらがPKを蹴るかは私が決める」。
「ならばPKになった場合どちらが一番手と決めたのか?」としつこく食い下がる報道陣にスペイン人監督は、「一口にPKといっても、それが0-0の時で決勝点になるものなのか、4-0で大量リードしているときの追加点かなど、状況によって重みはまったく違う。
よって、状況に応じて、その時にコンディションの良い者、責任を背負える者を選択する。基本的にはカバーニかネイマールだが、他にも蹴れる選手は何人かいる」とごもっともな答えを返した。
バイエルン戦の前日会見でも自国フランスやブラジルのメディアは”PKヒエラルキー”について迫ったが、エメリ監督の答えは変わらなかった。それにしても、「もうこの話題はいい加減にしてくれ!」と遮っても良さそうな同じ質問の繰り返しに、エメリ監督が丁重に答えていたのには頭が下がった。
実際のところ、古参のPSG番記者たちに意見を聞くと、「どうってことないこと」とほとんどが真剣に受け止めていなかった。
中には、「いいか、フランスのジャーナリストの90%はアンチPSGなんだ。そういった記者たちはいつだってPSGを叩くネタを探してるんだよ」と言っていた人もいた。