アダイウトンのプレーに「光」を見出す中村俊輔
前節の浦和戦、磐田はCBにプレスをかけられず、遠藤航に精度の高いフィードを許した。自分たちがボールを持っても攻撃のスピードが上がらず、手間をかけた分だけボールロストも増えていた。中村俊輔にも、らしくない奪われ方があった。
その点で大宮戦は、シンプルにプレーするところと時間を作るところのバランスに改善が見られた。そのことについてレフティーに質問を投げかけると、こう返ってきた。
「まあ相手とのバランスやフォーメーションもあるし、どっちかというと反省の方が大きいかな。やっぱり2点差って怖いなと。足がどうしても止まってしまうし、(失点が)後半の最初だったから。そこから向こうのエンジンがあまり上がらなかったから良かったけど、上位のチームにはやられていたと思う」
自身の持つJ1最多直接FKゴールを24点に更新したことには満足せず、薄氷の勝利だったとの見解を示す。そして、少しの間を置いて続けた。
「アダが一人でいいサッカーをするのか、守りつつアダの良さを出すのか。その2つが単純に明確になっている」
反省点がある中でも、アダイウトンのプレーには光を見出している。その口ぶりには『驚き』が含まれる。
「アダに最後言ったけど、(ドリブルの時に)下を向いちゃう。斜めに俺とか川又(堅碁)も動いているんだけど。それでも、後ろから見ていてもあれだけキープできつつ相手のゾーンまで一人で持っていくのは、なかなかいない。ああいうようなシチュエーションをチームで作っているという部分では、それも一つの戦術なのかなと」