まさかの全治8ヶ月。今季絶望、さらにはロシアW杯も…
9月23日に行われたJ1第27節のヴァンフォーレ甲府戦で負傷交代した齋藤学の診断結果は右膝前十字じん帯の損傷、全治8ヶ月の見込みと発表された。これはJ1の5位につける横浜F・マリノスでの残りシーズンの欠場が確定したと同時に、明日28日にメンバーが発表される日本代表への年内の復帰が絶望になったことも意味する。
昨冬中の欧州移籍が実現せず、心機一転キャプテン就任、そして10番を背負った今季だが、開幕からノーゴールが続いていた。9月16日に行われたJ1第26節の柏レイソル戦で得意の左ワイドから右足を振り抜く形で、ようやく初得点を挙げた。
一方でアシストはリーグ2位タイの8つを記録しており、堅守速攻をベースとする横浜F・マリノスでは彼のドリブルが明確なスイッチとなっていた。ここまでも動きそのものは悪くなかったが、ゴールを決めたことで周囲からの重圧も取れ、波に乗っていける状況だったはず。そんな矢先の負傷となってしまった。
8月31日のオーストラリア戦でロシアW杯の切符を手に入れた日本代表は、10月6日にニュージーランド、10月10日にハイチとの親善試合を行い、さらには11月に欧州遠征、12月には国内組での参戦が見込まれるEAFF E-1サッカー選手権2017(東アジアE-1サッカー選手権、東アジアカップから名称を変更)が控えている。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も当然ながら日本屈指のドリブラーである齋藤の動向に注目していた様子だが、W杯本大会までの日程を考えても、かなり厳しい状況になったと言わざるをえない。
齋藤の基本ポジションは左のウィングまたはサイドハーフであり、日本代表では原口元気(ヘルタ・ベルリン)をはじめ乾貴士(エイバル)、武藤嘉紀(アウクスブルク)など海外組のタレントがひしめき、アウクスブルクからドイツ2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフに移籍した宇佐美貴史も前節のザンクト・パウリ戦で目の覚めるようなゴールを決めるなど復調傾向にある。