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ペップ・シティ、2季目で明確なスケールアップ。ここ3試合で16得点0失点、死角はあるのか

text by 山中忍 photo by Getty Images

注目を集める次節チェルシー戦の行方

 このリバプールとワトフォードとの試合では、レロイ・サネがベンチスタートだったのだから贅沢な話だ。続くクリスタルパレス戦、4-1-4-1の2列目右サイドで先発の機会を与えられたサネは、期待に違わぬ1ゴール2アシストの活躍でチーム内最高の貢献度を示している。

 うち1アシストは、逆サイドのラヒーム・スターリングへのクロス。共に20代前半の両名には、グアルディオラの下でポジショニングや、ペナルティエリア付近でのシュートとパスの判断といった選手としての知能を高められた跡が窺える。

 サネのお膳立てによるゴールは合わせるだけでよかった類だが、中央のスペースをスルスルと上がった賢い動きがあればこそ、絶好機を得てシンプルなフィニッシュが可能になった。

 圧勝が相次いでも、監督のグアルディオラは「改善の余地はあるし、まだ9月だ」と、メディアの逸る気持ちを抑制するかのように語っている。身上とする攻撃は、敵がボールにも選手にも近づけない時間帯さえ珍しくない見事さだ。
シティ指揮官の発言に頷ける部分があるとすれば、それは守備面だろうか?

 5試合が格下との対戦だった6節までのリーグ戦では、開幕前にベテランで怪我の多いヴァンサン・コンパニへの依存度がいまだに高いと見られていた守備力が、さほど試されてはいない。

 かといって不安を覗かせなかったわけではなく、クリスタルパレス戦では、リーグ戦で無得点のまま連敗中の敵に先制される危機を、ゴールポストと相手のシュートミスに救われた。

 ワトフォード戦でも、FKからのクロスに反応した敵のヘディングが枠外で事なきを得た。この2試合の間に行われたリーグカップ3回戦では、CKの流れからノーマークの状態でウェストブロミッジに得点を許している(2-1)。

 そこで、より一層注目されるのが次節チェルシー戦。6節でストークを料理し(4-0)、3ポイント差の3位につけている昨季王者を相手に、敵地で戦うビッグゲームでも昨季とは違うシティの姿を披露できるか? その答えが「イエス」となれば、いよいよメディアも我慢できなくなり、結果を伝える翌日10月1日の国内紙では「優勝」や「王者」といった言葉が、今季のシティに用いられているはずだ。

(文:山中忍【イングランド】)

【了】

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