延焼を防ぐことを選んだボルシアMG。効果的なスペースはなし
5失点と炎上中だったボルシアMGが、これ以上の延焼を避けるため、自陣深くに引いたことも、難しさに拍車をかけたようだ。
「相手もあんまり攻めに来ずに、これ以上やられたくない感じはあったので、しっかりと守備もリトリートしていたので、なかなかスペースはなかったですけど。まあ、だから点は取りに行きたかったですけどね。なかなかスペースもあまり効果的なものはなかったです」
香川が投入された直後の66分、ラース・シュティンドルが1点を返したが、気休めにもならなかった。ドイツ代表FWの一撃は反撃の狼煙になり得ず、大観衆の声の中、わずかな存在感を放ったに過ぎなかった。戦意を失った対戦相手。であればもう1点を奪えそうだったが、なまじ引き籠ってしまったために、効果的なスペースを見つけることは難しかったようだ。
6点目を決めて、止めを刺したのはユリアン・バイグル。79分、エリアの手前でセカンドボールを拾って、そのままミドルシュートを突き刺した。
もちろん5-0となった後の30分間で「結果」を残せなかったからと言って、ペーター・ボス監督の香川への評価に影響はないだろう。勝敗の行方は既に決まっていた中での投入だった。選手個人にとっては、0-0のこう着状態や、リードを許して逆転を狙う状況での投入よりも、やりにくさはあるかもしれない。
ボルシアMG戦は割り切って、26日に予定されるチャンピオンズリーグ、レアル・マドリー戦に備えたいところだ。
(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)
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