香川の状態に対する細心の注意。指揮官の理解
ペーター・ボス監督は、右肩の脱臼で離脱していた香川の状態に細心の注意を払い、少しずつ出場時間を増やしてきた。そうした指揮官の理解があるため、ハンブルクでのアウェイゲームは、もちろん香川にとって背水の陣ではない。66分に途中交代となったが、「ポジティブに受け止めたいです」と語っている。
「ステップ、段階を踏んでっていう意図だと思うので、まあ、ポジティブに受け止めたいですし、次、さらに出場機会、時間を増やしていければ、いいんじゃないかなと思います」
それでも、これから「さらに出場機会、時間を増やして」いくためにも、やはり「結果」は必要となる。ゴンサロ・カストロやマフムド・ダフード…ライバルたちは着々と試合に出場し、少し先を行っているのも事実だ。ゴールは、監督やチームメイトから信頼を得て、出場機会を確保するには、何よりの「結果」になる。
香川は「良いコンディションだと思っている」と言う。66分間のプレーでは、前を向いてスルーパスを出したり、サイドチェンジで攻撃を組み立てたりと、「フィーリングが良かった」のだそうだ。
今季の“初ゴール”は、まだ足掛かりに過ぎないとも言える。
「どうやって自分自身が、今日みたいに点を取って、バイタルでボールを受けれるっていうのを証明していく、そこはやっぱりアピールしていくしかないし、ただまあ、これをやり続けていければ、必然とその回数と信頼は確実にモノにできるっていう自信はあるので、それはやっていきたいなと思います」
20日のハンブルガーSV戦でのゴールをきっかけに、香川は、ボス新体制の奥深くへと入っていくことになりそうだ。
(取材・文:本田千尋【ハンブルク】)
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