今季リーグ戦初スタメンで今季初ゴール
“初ゴール”が生まれたのは、24分のことだ。右サイドのゴールライン際。アンドリー・ヤルモレンコが直接FKを蹴る。少し緩やかなスピードでゴール前に送られたボールを、エメル・トプラクがヘディングシュート。しかし枠には飛ばず、手前にいた背番号23の右足に当たった。
足元に落ちてきたボールを、香川真司は、1つフェイントを入れて、きっちりと決め切った。
「元々入らない予定だったんですけど、中には。ただ、数的優位だったので、高徳が付きにくそうにしていたので、入ってみたら、まあ、目の前に上手くこぼれてきた、こぼれてきたっていうか味方のシュートでしたけど。まあでも、冷静に決めれたのかなあと思います」
自ら状況を判断し、ヤルモレンコが蹴る前に、外側からゴールエリアの「中に」スルスルと移動した香川。千載一遇のチャンスを物にして、ボルシア・ドルトムントに先制点をもたらした。
9月20日に行われたブンデスリーガ第5節、対ハンブルガーSV戦。香川は「今日は自分にもプレッシャーをかけて」臨んだという。
「結果というものを絶対的に、掴み取りたかったので、そういう意味では、まあ良かったのかなあと思います」
結果が欲しかった。13日のCLトッテナム戦以来、2試合ぶりに先発出場した日本代表MFは、試合の後で開口一番そう言った。今季のブンデスリーガでスタメンに名を連ねるのは、このHSV戦が初めてのことだ。
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