ナポリらしい3、4点目。定番の攻撃パターン
ベネヴェント戦の3点目はナポリらしい得点だった。そして、インシーニェからメルテンスへつないでのゴールは、オーストラリア戦での浅野拓磨の得点を想起させた。
左でインシーニェが右足に持ち替える、相手がラインを揃えようとした瞬間にメルテンスが飛び出し、インシーニェの右足からのクロスボールをGKの前で触って決めた。シュートの場所は違うが、左からのクロスにライン裏へ飛び出しての得点という経過が長友→浅野のゴールと同じなのだ。
左サイドから繰り出すインシーニェからのクロスボールはナポリの定番で、多くは逆サイドにいる右ウイングのカジェホンを狙っている。右利きのインシーニェが右足の外側にボールを置いた瞬間が合図だ。
インシーニェがこのクロスを蹴るときは、バックパスを受けるか自分で右足に持ち替えたとき。つまり、いったん下がったディフェンスラインが止まってラインを整えようとする瞬間に重なる。そこで生まれるライン裏の空白地帯を狙う。
インシーニェは右足の外へ置いたボールを小さなステップだけで正確なロブを蹴る能力が高く、そのクイックモーションがDFに修正の時間を与えない。
4点目。インシーニェが左サイドでボールを持った瞬間、中央のメルテンスは右手でDFの背後を示していた。ここへ蹴ってくれというサインだろう。しかし、インシーニェはオーバーラップした左SBのグラムへパス。グラムのプルバックを逆サイドから詰めたカジェホンが決めた。これもナポリらしいゴールだ。
サイドを深くえぐってからの角度をつけたパスに対して、戻りすぎたDFは反応できない。誰もいないスペースへ転がしたボールには、いち早く狙いをつけたカジェホンだけがいた。正しい瞬間に正しい場所に。