リーグ7連覇へ隙なし。戦力バランスは昨季以上だが…
7連覇に死角なし。そう思わせる夏の移籍市場。やはり絶対王者の補強は的確だった。
セリエAで圧倒的な強さを見せているユベントスは、今夏の補強も盤石だった。中盤のテコ入れとウィンガーの獲得で、チーム全体のバランスは昨季を上回っている。
ただ、今夏は大きな問題が発生した。DFレオナルド・ボヌッチのミラン移籍だ。これは選手側の希望があったため仕方ないが、戦力ダウンは避けられない。それでも他クラブが中心選手を引き抜かれたときに比べれば、ダメージは少ないだろう。ユベントスは3バックと4バックのどちらでも選択可能で、4バックにすれば大きな問題にはならない。若手のダニエレ・ルガーニは成長し続けているし、シャルケからベネディクト・ヘベデスを獲得した。センターバックの頭数はそろっている。
中盤はひとつの課題だった。ミラレム・ピャニッチ、サミ・ケディラ、クラウディオ・マルキージオを軸にするまではいいが、その次が誰になるか中途半端だったのだ。そのため、レギュラークラスを獲得して余剰人員を整理する必要があった。補強は紆余曲折あったものの、最終的にパリ・サンジェルマンからブレーズ・マテュイディを獲得。マリオ・レミナをサウサンプトンへ放出し、若手をレンタルに出すことができた。
また、強化の余地があると考えられていたウィンガーも今夏の移籍市場で充実させた。バイエルン・ミュンヘンからドグラス・コスタ、フィオレンティーナからフェデリコ・ベルナルデスキが加わり、攻撃のバリエーションが増えている。ゴンサロ・イグアイン、パウロ・ディバラ、マリオ・マンジュキッチというメンバーに強力ウィンガー陣が加わったとなれば、イタリア国内に止められるチームはそうないだろう。
王者であるユベントスは、当然大きな変化を必要としていない。ボヌッチ放出というアクシデントはあったが、基本はベースを維持しつつ、昨季の課題を解決するための市場だった。まさに「補強」という夏を過ごしたと言えるだろう。