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ドルトムント、新体制は未知数の新戦力とともに。若手有望株の潜在能力を信じて【欧州主要クラブ補強診断】

シリーズ:17/18欧州主要クラブ補強診断 text by 本田千尋 photo by Getty Images

補強・総合力診断

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ボルシア・ドルトムントの2017/18シーズン予想布陣(黄色は新加入選手)

IN
GK ドミニク・ライマン(ドルトムントII/昇格)
DF エメル・トプラク(レバークーゼン)
DF イェレミー・トリャン(ホッフェンハイム)
DF ダン=アクセル・ザガドゥ(パリ・サンジェルマンB)
DF ネベン・スボティッチ(ケルン/期限付き移籍期間満了)
MF マフムード・ダフード(ボルシアMG)
FW アンドリー・ヤルモレンコ(ディナモ・キエフ)
FW マキシミリアン・フィリップ(フライブルク)
FW ジェイドン・サンチョ(マンチェスター・シティU-18)
FW ヤコブ・ブルーン・ラルセン(ドルトムントU-19/昇格)

OUT
GK ヘンドリック・ボンマン(1860ミュンヘン)
DF マティアス・ギンター(ボルシアMG)
MF ウスマヌ・デンベレ(バルセロナ)
MF スベン・ベンダー(レバークーゼン)
MF ミケル・メリーノ(ニューカッスル/期限付き移籍)
MF ジェニス・ブルニッチ(シュトゥットガルト/期限付き移籍)
MF フェリックス・パスラック(ホッフェンハイム/期限付き移籍)
FW エムレ・モル(セルタ)
FW アドリアン・ラモス(グラナダ/期限付き移籍期間満了→重慶力帆)

補強評価:C

 スヴェン・ベンダー、マティアス・ギンター、アドリアン・ラモス、そしてウスマヌ・デンベレら前トゥヘル政権を支えた面々を放出。一方で獲得した選手たちは未知数の若者が多い。本当の意味でチームにフィットした新戦力は、まだ1人もいない。16年のフンメルス、ギュンドアン、ヘンリク・ムヒタリアンの移籍以来、チームはスケールダウンの一途を辿っている。

 デンベレの代わりに獲得したヤルモレンコは、前所属ディナモ・キエフ時代にCLなど欧州の舞台での実績も十分。13日のCLトッテナム戦では早速1ゴールを決めた。27歳のFWの起用には一定の目処が立ったと言えそうだ。しかしヤルモレンコと並んで即戦力候補のエメル・トプラクは、トッテナム戦でのパフォーマンスを振り返ると、ソクラティスとバルトラの両CBの控えの域を出ないかもしれない。

 ダフード、ザガドゥ、フィリップが今季中にブレイクしてくれるならば問題はないが、やはり時間は必要だろう。今季の戦いに向け、多少の不安が残る補強となった。

総合評価:D

 デンベレがバルセロナに移籍したことで、ウィングのポジションの戦力値が大幅に低下。ヤルモレンコの起用で急場を凌ぎ、マルコ・ロイスの復帰を待つばかりだ。

 また前線では、オーバメヤンのバックアッパーが不在であるのも不安要素。昨季のブンデスリーガ得点王に万が一負傷などのアクシデントがあった場合、1トップのポジションは誰が務めることになるのだろうか。

 インサイドハーフも、現段階で絶対的な主軸は見当たらない。代謝障害から復帰したマリオ・ゲッツェは、まだかつての輝きを取り戻したとは言えない。香川真司も左肩の脱臼の影響で少し出遅れた。カストロもトゥヘル時代のようなパフォーマンスを発揮できていない。

 またCBのポジションでも新戦力には頼れず、今季もソクラティスが主軸を努めていくことになりそうだ。ボランチでヌリ・シャヒンが好調なのは朗報か。ペーター・ボス新監督の戦術が浸透し切っていない影響もあるが、指揮官交代で過渡期にあるドルトムントは今季、これまで以上に苦戦するかもしれない。

(文:本田千尋)

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【了】

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