最大の強みは一体感。ユナイテッドが身につけた機能性
マンチェスター・ユナイテッドは、プレミアリーグ第5節でエバートンを4-0と粉砕し、勝ち点を13に伸ばした。5試合を終えて16得点、2失点、得失点差は+14。地元のライバル、マンチェスター・シティと勝ち点、得点、失点が同じで首位に並ぶ。
エバートン戦では、前半4分にアントニオ・バレンシアがエリア外から豪快なミドルシュートで先制ゴールを奪う。その後は相手の粘りに苦しんだものの、終盤の9分間で怒涛の3ゴールを決めて圧倒した。
試合後のジョゼ・モウリーニョ監督は、「前半の30分までは今季のベストパフォーマンスだったが、そのあとは苦しんだ。それでもパフォーマンスは非常に良かった。厳しい時間帯は長かったが、継続してソリッドなプレーができていた。チームとして一丸となり、組織的だった」と分析した。
現時点での数字だけを見れば、ユナイテッドの強さは抜群の破壊力を持つ攻撃力であり、失点を許さない堅固な守備力のように映る。だが今季のユナイテッドの最大の強みは、指揮官の言葉どおり、チームが一体となってプレーしていることではないだろうか。
先月26日のレスター戦は、今季初となるユナイテッド戦の取材だった。そして感じたのは「久しぶりに強いユナイテッドを見た」ということ。ロメル・ルカクやネマニャ・マティッチといった一線級の選手が新戦力として加わり、2年目のポール・ポグバやヘンリク・ムヒタリアンがよりチームにフィットしているのは明らか。何よりマティッチが中盤の底に入ったことにより守備が安定し、組み立てがスムーズになっていた。だが、最も印象的だったのはチームとしての機能性の高さだった。
この試合で、後半途中まではレスターが守備ブロックを整備して組織的によく守っていた。ただ後半15分に岡崎慎司が交代すると、それまでの高い位置からの守備ができなくなり、バランスが崩れていく。
一方、辛抱強くゴールを待ち続けたユナイテッドは、後半22分、それまで中盤で試合を組み立てていたものの怖さがなかったファン・マタに代えて、マーカス・ラシュフォードを投入。すると3分後のコーナーキックから、そのラッシュフォードがあっさりと先制点を挙げた。さらに後半38分には、同じく途中出場の2人、ジェス・リンガードのクロスをマルアン・フェライニが押し込んで追加点を奪い、勝負は決した。