補強・総合力診断
バイエルン・ミュンヘンの2017/18シーズン予想布陣(黄色は新加入選手)
IN
GK クリスティアン・フリュヒトル(バイエルンU-19/昇格)
DF ニクラス・ジューレ(ホッフェンハイム)
DF フェリックス・ゲッツェ(バイエルンU-19/昇格)
DF マルコ・フリードル(バイエルンU-19/昇格)
MF セバスティアン・ルディ(ホッフェンハイム)
MF コランタン・トリソ(リヨン)
MF ハメス・ロドリゲス(レアル・マドリー/期限付き移籍)
OUT
GK トム・シュタルケ(現役引退)
DF フィリップ・ラーム(現役引退)
DF ホルガー・バドシュトゥバー(シャルケ/期限付き移籍期間満了→シュトゥットガルト)
MF シャビ・アロンソ(現役引退)
MF ジャンルカ・ガウディーノ(ザンクド・ガレン/期限付き移籍期間満了→キエーボ)
MF ドグラス・コスタ(ユベントス/期限付き移籍)
MF レナト・サンチェス(スウォンジー/期限付き移籍)
補強評価:A
トリソとルディの2人は、X・アロンソとラームの抜けた穴を十分に埋めてくれそうだ。22歳のトリソは、X・アロンソのような老獪さを持ち合わせてはいない。だが、ピッチを激しく上下動する豊富な運動量は、チームにこれまでと違った色をつけてくれるに違いない。
ルディはボランチでラームさながらのプレーを見せ、SBでの起用も可能。現在はヨシュア・キミッヒが務める右SBでも、重要なバックアッパーとなるだろう。
CBを主戦場とするジューレは、マッツ・フンメルス、ハビ・マルティネス、ジェローム・ボアテングらとのポジション争いに挑む。レギュラーの確保は難しいかもしれないが、これから過密日程をこなす上で貴重な戦力となるはずだ。
そしてハメス・ロドリゲスは、アンチェロッティが独自色を打ち出す上で重要な役割を果たすのかもしれない。ペップ時代にはなかったような強みを、トップ下で発揮するのではないか。いずれにせよブンデスリーガ6連覇を目指す上で、盤石の補強を行っている。
総合評価:A
戦力値ではブンデスで頭一つ抜けており、間違いなく優勝候補。純粋に戦力だけを眺めてみれば、全体的に穴らしい穴は見当たらない。
GKは新主将のマヌエル・ノイアー、右SBにキミッヒ、CBにボアテングとフンメルスと、守備陣にはドイツ代表がズラリ。中盤にはチアゴやビダルなど、相変わらずいぶし銀の選手が揃っている。複数のポジションをこなすダヒド・アラバの存在は心強い。
“ロベリー”の高齢化は進んでいるが、20歳のキングスレイ・コマンを完全移籍で獲得するなど、世代交代も着々と進んでいる。
上手くハマればチャンピオンズリーグ制覇も狙えるだけに、アンチェロッティの手腕こそがラストピースか。ハメスやトリソといった新戦力を融合させつつ、ポジションが安泰ではなくなったミュラーや、アクの強いリベリなどの不満を上手く消化していくことができるか。
単なる放任主義に陥らずに、選手が個々の能力を十二分に発揮できるよう、イタリア人の老将は調和を整えたいところだ。
(文:本田千尋)
【了】