香川らベテラン勢と新戦力の融合
ドルトムントに所属する香川真司【写真:Getty Images】
こうして完勝したケルン戦では、新戦力たちが活躍した。右ウイングに入ったヤルモレンコは、フィリップへのアシストもさることながら、右サイドで縦パスを受けて攻撃の起点にもなるなど、徐々にチームにフィットして来ている。ウインガーとして1対1を仕掛けるだけでなく、190cmの長身を活かせば、ゴール前でターゲットになることもできそうだ。
そして2ゴールと結果を残したフィリップ。前節フライブルク戦ではあまり目立ったところは無かったが、23歳のアタッカーも少しずつドルトムントのサッカーに慣れてきているようである。それはダフードもまた然り。後半に入るとケルンの守備ブロックが緩くなり、スペースが生まれていたこともあって、インサイドハーフのポジションで正確で安定したプレーを見せた。
もちろんこの1試合のみを持って、ヤルモレンコ、フィリップ、ダフードら新戦力たちが、BVBへ完全にフィットしたとも言い切れない。現在ケルンは最下位であり、チームとしてまるで上手くいっていなかった。バイエルンやライプツィヒといったタフな相手、タフなゲームで力を発揮し切れるかは、まだ分からない。
それでもトッテナム戦の敗北を引きずらず、勝ち切ったことは大きい。ケルン戦に勝利したドルトムントは、一躍首位に躍り出た。このまま新戦力の融合を進め、好調を取り戻したシャヒンや、この試合では出番がなかった香川真司らベテランの力と上手く掛け合わせて、チームとしてのクオリティを高めていきたいところだ。
(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)
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