フランスに0-4の完敗。オランダ代表低迷の理由
8月末のロシアW杯予選、オランダはフランスに0-4と完膚なきまでに叩き潰された。大ベテランになったロッベンやスナイデルが先発し、ファン・ペルシが後半途中から投入されたことから、世代交代に悩むオランダの姿が如実に表れた。「代表チームが3つ作れる」と言われるフランスの選手層とは大違いである。かつてのような「ホーラント・スホール」にこだわって強国と試合をやっていては、今のオランダはあっさり負けてしまう確率が高いだろう。
とはいえ、今のオランダが“サッカー中堅国”の地位さえ危ないのは、どうもおかしい。EUROの予選ではアイスランドがチームとしてピークを迎えていたから、当時のオランダが敗れたのも仕方ないと思う。
しかし、EURO予選のチェコ、トルコ、W杯予選のスウェーデン、ブルガリアに対して、オランダのメンバーが劣るとはどうしても思えないのだ。例えば、ワイナルドゥム(リバプール)やストロートマン(ローマ)はビッグクラブの中心選手だ。ドスト(スポルティング・リスボン)は昨季のポルトガルリーグ得点王。クインシー・プロメス(スパルタク・モスクワ)は昨季のロシアリーグMVPだ。ファン・ダイクはサウサンプトンと移籍に関して揉めた影響で直近の代表から外れてしまったが、プレミアリーグ屈指のCBである。
今の世代のオランダ代表はスーパースターこそ皆無だが、24ヶ国に拡大されたEUROの予選で敗退するほどのメンバーでもない。代表チームの指揮官たちが、自分たちの抱える選手の力量を読み誤り、間違ったコンセプトでチームビルディングをしているとしか思えないのだ。
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