第1戦では無念の欠場を強いられた柏木。第2戦に照準を合わせたリハビリ
後半だけで13本を数えたコーナーキック。そのうちの9本目となった後半30分のそれを、途中出場のズラタンが決めて逆転した。フロンターレに推進力がなくなったと見たレッズの堀孝史監督が、3バックに変えて前線の圧力を強めたさい配が鮮やかに的中した。
直後に矢島に代えてMF駒井善成を右アウトサイドに投入。シャドーにポジションを移したラファエル・シルバが、2戦合計で同点に追いつく3点目を後半39分に決めた。2つのゴールを立て続けにアシストしたMF柏木陽介は3‐1となった瞬間に、90分間での逆転勝利を確信した。
「ゴールを取りにいこうという気持ちが、みんなから見えていたというか。延長戦までいかせずに終わらせるという気持ちがあったから。水曜日にこれだけの観客が入ってくれてすごく後押しされたし、すべてを含めて、神様がオレらの前向きな頑張りというものを見てくれたのかなと」
言葉通りに、わずか2分後に激戦に決着をつけるMF高木俊幸の決勝ゴールが生まれる。緩やかな軌道を描いた絶妙のクロスでアシストしたのは、槙野とともに高い位置を取り続けていた森脇だった。
第1戦で柏木は無念の欠場を強いられている。一度は先発に決まっていたものの、試合前のアップで左足のつけ根に違和感を覚え、満足のいくプレーができないと堀監督に訴えた。以来、照準をACL準々決勝第2戦に定めてリハビリに務めてきた。
「理想を言えば柏戦で(復帰)、という気持ちはあったけど、同じところを今年だけで3回目だから。無理しても仕方ないし、もう一度外れてコンディションをあげたいと堀さんには話をした。そこでしっかり練習できたから、今日こうやってプレーできたと思う」
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