「自分がどこで評価を高められるか」「必ずやれる自信はある」
ボールを持っていたのはドルトムントだったが、試合の主導権を握ったのはトッテナムだった。香川も左ウイングのクリスティアン・プリシッチを使い、オーバメヤンにスルーパスを通そうとするが、ゴールには結び付かず。そうこうしているうちに、60分には連動したパスワークで翻弄され、またもケインにゴールを許してしまう。
66分に香川はマリオ・ゲッツェと交代。72分にもダフートとゴンサロ・カストロを代えたが、交代策は実らず。後半の終盤にかけてはスパーズにカウンターを許し、BVBはアタッキングサードを攻められない。試合は1-3で終了。ドルトムントは、今季チャンピオンズリーグの初戦を落とした。
チームは完敗だったが、香川自身は、トップ下でのプレーに手応えも感じたようだ。
「中盤の選手含めてやっぱり、いい選手が多いので、このチームは。やっぱりより自分がどこで評価を高められるかと言ったら、より前のポジションだと思うし。ただ、やはりこういうタイプはなかなかいないと思っているので、それを生かせれば、このチームにとって必要だと思っているし。それを僕自身はもっともっと、練習と試合を重ねていければ、必ずやれるという自信はあります」
今季初先発、66分間の出場時間の中で、1アシストを記録した香川。試合後に口を突いて出たのは、反省の弁というよりは、これからの自分自身への確信にも似た予感だった。
「バイタルの中でね、どれだけボールを受けれるか、っていう意味では、もう少し、欲しかったです。そこはやっぱりボールが入ればより、より決定的なチャンスが生まれると思っている。その数がちょっと、もうちょっと増えればいいかなあと思います。限られたスペースの中でどれだけボールを受けれるか、呼び込めるかっていう意味では、今後もっともっと精度を上げていければ、いいと思います」
(取材・文:本田千尋【ロンドン】)
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