今季初先発。手探りのなかで精力的にプレー
“初先発”は、今後への期待を抱かせるものだった。9月13日に欧州各地で行われたチャンピオンズリーグ。ボルシア・ドルトムントはグループHの第1戦を、ロンドンの地で迎えた。対戦相手はプレミアリーグ所属のトッテナムだ。
開始早々の4分、ソン・フンミンに左サイドを突破され、やすやすと先制点をスパーズに献上したBVB。立ち上がりから苦しい試合展開となったが、そんな嫌な流れに1度は歯止めをかけたのは、先発した背番号23だった。
香川真司がスタメン入りするのは、そもそも今季では初めてのことである。
「僕自身も初めて(先発)の試合だったのでね、どこまでやれるかっていうのは、やってみないとわからなかったです」
このように手探りのところもあったことを試合後に明かした香川だったが、いざ試合が始まれば、トップ下のポジションで精力的にプレーした。失点直後の6分には、ピエール=エメリク・オーバメヤンとのワンツーで、ペナルティエリア内への侵入を試みる。
そして11分には“初アシスト”。右ウイングのアンドリー・ヤルモレンコから入ったボールを、エリア内の右で受けると、右足のアウトでリターンパス。新加入のウクライナ代表FWが、左足ダイレクトでシュートを打ってゴールを決める。1-1。
試合を振り出しに戻した香川。
「バイタルの中で、よりダイアゴナルが空いていたので。アンドレ(ヤルモレンコ)は結構そこを見ていたのでね。そこでワンツーであったり、そこで一回ボールが入れば、チャンスになるのかなと思っていたので。それは狙い通りでした」
しかし追い付いたのも束の間、15分、今度はハリー・ケインに左サイドを単独で突破され、勝ち越し弾を許してしまう。
以降トッテナムは全体をコンパクトに保ち、守備ブロックから手堅くチャンスを伺うようになった。香川は振り返る。
「そもそも僕たちは前半の2失点という意味では、少し、簡単にやられすぎたのかなあと、その中で、相手がより試合をコントロールできていたんじゃないかなあと思います」