植え付けられている守備の意識。“脱ネイマール”で新たな道へ
その後、後半に入ってもペースを緩めなかったバルセロナは、56分にラキティッチ、69分にメッシが追加点を決め、試合を決定づけた。
勝敗がほぼ決したなか、ペースを落として相手に主導権を与えてしまうことも多いバルサだが、この日は違った。71分、守備時には4-4-2の最前線にポジションをとるスアレスとメッシが、相手の中盤の選手へのパスコースを切りながらセンターバック2枚へのプレスを行っていたのだ。
ポジショニングやプレスに出るタイミングなど、全体的にかみ合っていない部分はあったものの、守備の意識がチーム全体に植え付けられていることは確か。ボールを奪われた後の即時奪回も然り、バルベルデ監督は守備の局面の改善にも本気で取り組んでいるのかもしれない。
最終的に、バルセロナはユベントス相手に3-0で勝利することができたが、この試合での1番の収穫は、「合理的かつシンプルな戦いのもとチーム全体で戦うことができたということ」であるに違いない。それは、バルセロナがネイマールの存在を忘れ、新たな道へと進んでいくうえで非常に大きな意義を持ってくるのではないだろうか。
(文:長坂祐樹)
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