メッシの先制点。注目すべきは前線にボールが渡る前のプロセス
けが人が相次いでいるユベントスが4-4-2の布陣で挑んできたのに対し、ホームのバルセロナは4-3-3で対抗。新加入デンベレが右のウイングで初先発し、メッシが中央にポジションをとった。
バルベルデ監督がこの試合で示した戦い方は、合理的でシンプルなものであった。攻撃では常に数的優位を作り、守備では全員がボールを基準にポジションをとりながら動くといように。なによりもチームで戦うことを重視していた。
バルセロナは、相手の2トップがプレスに来れば、アンカーのブスケツがディフェンスラインに入り相手より1人多い状況を作っていた。インサイドハーフのイニエスタとラキティッチがマークにつかれていれば、それによって空いたスペースにメッシがボールを貰いにおりてくるというメカニズムも機能しており、スムーズにボールを回せていた。
バルサ加入後初先発となったデンベレも、問題なく試合に入れていた。主に右サイドでのプレーを任されていたなか、持ち前のドリブルでの突破はもちろん、サイドでボールを受けてタメを作り、味方がポジション修正するための時間を与えるなど、貢献度はかなり高いものであった。
後ろからしっかりとパス交換をすることで攻撃を組み立てることに固執していたバルセロナは、45分に試合を動かすこととなる。デンベレ、メッシ、スアレスの3人が流れるような連係で相手の守備を崩し、最後は絶好調のメッシが左足を振りぬいた。
確かにこのゴールはMSD(メッシ、スアレス、デンベレ)という新たなユニットの誕生を感じさせるような素晴らしいゴールであったが、より注目するべき点はデンベレにボールが渡る前のプロセスにある。
この試合、マンツーマン気味でプレスに来るユベントスに対し、バルセロナはキーパーも含めたビルドアップで数的優位を常に作り続けていた。この得点シーンにおいても、GKテア・シュテーゲンが相手のトップの選手を引き付けることによって横にいるピケをフリーにし、デンベレにボールを供給するために時間的な余裕を作っている。まさに、数的優位を作ることを徹底したことが実を結んだ瞬間であったのだ。