最近17試合で一敗のみ。絶好調維持するフロンターレ
現在は鹿島アントラーズが2位を6ポイント引き離し、J1首位の座を堅持していると言えるかもしれない。だが川崎フロンターレの最近の戦いぶりを見ていると、大岩剛監督のチームがこのまま首位で走り抜けたいのであればペースを落とす余裕はないと言えそうだ。
フロンターレは最近6週間にわたって絶好調を維持しており、公式戦9試合連続の無敗。最近17試合で唯一敗れたのは、7月29日のホームでのジュビロ磐田戦、2-5という奇妙な敗戦を喫した試合のみだ。
鬼木達監督のチームはその結果としてJ1の2位に浮上し、ルヴァンカップでは準決勝に進出。天皇杯でも4回戦へ駒を進め、AFCチャンピオンズリーグでも準決勝進出に王手をかけている。
「オニさんになってから、何をするべきなのかが明確になりました。誰も怠けることはなく、全員で走って攻守の切り替えができています」と中村憲剛は、横浜F・マリノスに勝利を収めた9月9日の試合後に語った。
「もちろん技術やアイディアも大事ですけど、今はとにかくそういう部分がベースにあることが大きいですね」
確かな基礎があることは間違いないが、現在のフロンターレにとっては技術やアイディアも決して後付の要素などではない。今季は見ていて本当に楽しいサッカーを何度か披露してきた。もちろん中村もその中で、これまで以上に中心的な役割を果たしている。周囲の状況を把握する感覚や、ボールを受けてパスを出す驚異的な能力は、現在のJリーグで並ぶ者がいないほどだ。
だが中盤での周囲からのサポートも手厚い。大島僚太もラインの間で相手を翻弄する選手の一人として然るべき称賛を集めているが、中央で全てをまとめ上げる存在はエドゥアルド・ネットだ。
エドゥアルド・ネットの守備面で試合を読む力は図抜けている。チームがボールを持った時にも姿を消すことはなく、チームメートにとって常に選択肢のひとつとなってくれる。
今シーズンのデータを眺めてみれば、彼があらゆる面でチームのスタイルに欠かせない存在であることが分かる。フロンターレのリーグ戦でのパス交換数上位5組の全てに彼が絡んでおり、トップ10の中でも8組に絡んでいる。