まだ不十分。だが一歩前進。さらにステップを踏めるか
後半の立ち上がりからアロンソ監督はケガ明けの“偽9番”サガルをフィゲロアに代えて投入。本田も後半のスタート前にDFのエレーラと攻撃面の連係についてディスカッションした。その効果もあってかボールの回りは良くなったが、チーバスのタイトな守備の前になかなか決定的なシーンを作れないまま、17歳のFWデラロサに代えてアルゼンチン人FWのハラが投入される。
後半27分にはそのハラがグティエレスからのクロスに飛び込んで合わせて1点を返したものの、73分に本田が下がった後も効果的に時間を使うチーバスから主導権を奪い切れないままタイムアップとなった。前節に退場したインテリオールのグスマンが出場停止となり、本田に先発チャンスが来た。
タイミングよく飛び出すシーンもあったが、縦横無尽に動き回るグスマンとは本質的にタイプが異なるため、十分に機能するには少し時間がかかりそうな印象も受けた。やはり組み立ての段階でより味方からパスを引き出し、そこから自身のサイドチェンジや効果的な縦パスを起点してゴール前に入っていく流れをもっと作りたいところだ。
守備面は周囲との連係以前に、もっと運動量と厳しさも個人としてさらに上げていく必要がある。ただ、代表戦の長旅の直後に初めて[4-3-3]のインテリオールというポジションで先発したことは一歩前進と考えていい。ここで継続的に起用されていく様なら、日本代表でもインサイドの選手として見られていくだろうし、そこでの評価が招集の是非にも直結してくる。
13日にはコパMXで2部のシマローネスというクラブと対戦するが、そこで再びインテリオールをつとめれば、カップ戦ということもあり、より決定的な仕事が求められてくる。そして、そこでの出来が次節のレオン戦の起用法にもつながるはずだ。
(文:河治良幸)
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